日向坂46、遂に約束の地へ!飛躍の1年を「ライヴ力」で完全証明した『ひなくり2021』

 日向坂46(以下日向坂)は12月24日、25日に『ひなくり2021』を開催した。けやき坂46時代から恒例となっているクリスマスライヴ。今年はまさにクリスマスイヴとクリスマス当日の開催、そして2年ぶりの有観客での開催となり、聖夜への期待に会場の熱気も高まっていた。

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演出一体で魅せた強固なパフォーマンス

 会場の四方にある柱周辺にはそれぞれミニステージが設置され、メインステージの反対側にもメイン級のサブステージが設置。東京ドームでの開催は断念することとなった『ひなくり2021』だが、それでも過去最大キャパシティでの開催となった夜は、存分に会場の広さを生かした構成となることが予想できた。

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 “Overture”を抜け、多くのメンバーが口々にお気に入りの楽曲と言っていた最新トラック“アディショナルタイム”からライヴはスタート。共にロックナンバーである“膨⼤な夢に押し潰されて”、“ソンナコトナイヨ”が続き、冒頭からライヴはハイテンションで進んでいく。

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 このOPタームの段階で明らかになったのは、近年の『ひなくり』が毎回ストーリー仕立ての演出がメインだった一方で、今年のひなくりは違うものであるということ。ステージの背後に設置された巨大なLED、立体的に組まれた階段状のステージ、照明が散りばめられたケージ型のセット、そしてウォータースクリーンなどを使った演出……そのすべてが、彼女たちのライヴパフォーマンスを増幅し、彩るものとして存在していたのだ。

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 冒頭の“アディショナルタイム”の時点で、巨大LEDの存在は際立っていた。歌詞の世界観に合わせ、時間をモチーフとした映像が極彩色にステージとメンバーを彩る。当然クリスマスライヴということもあり、“ソンナコトナイヨ”や“アザトカワイイ”などではクリスマス演出もステージにもたらしていた。また、加藤史帆のソロ楽曲である“嘆きのDelete”では、彼女の振付に合わせて背後で光が瞬く演出となっており、こちらも日向坂のライヴとしては新境地。根幹にクリスマスライヴというテーマはありながらも、いわゆる物語性を強める存在ではなく、あくまで楽曲を乗りこなすメンバーのパフォーマンスを強固なものとするために生きていた。

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 また、後半で披露された“My fans”におけるウォータースクリーン演出や炎の特効も楽曲が持つ色をより色濃いものに。元々、自然と会場が真っ赤なサイリウムで埋まるライヴ定番楽曲を、今回のライヴでは炎のチーム(赤の衣装)と水のチーム(青の衣装)として、対面のステージに分かれて披露。炎と水という演出の対決構造を演出と共に創り上げることで、楽曲が持つ激情をより際立たせていた。

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 そして、そもそものライヴ力の底上げという点で著しく変化を感じたのは、上村ひなのを筆頭とした3期生の面々。上村は初のセンターを務めた“何度でも何度でも”に象徴的だったように、表現力の面で急激に進化を遂げた。コロコロと多彩な表情を見せながら、とてつもなくエネルギッシュな美しさが光る、まさしく主役級の存在感を発揮。そして、すっかりグループにも馴染んだ新三期の面々も、以前と違って彼女たちのことを「新三期生」であると意識せずに見るようになった。初々しさはまだ残るものの、山口陽世と森本茉莉が煽りを堂々とやりきったシーンも、MCで髙橋未来虹があまりにもしっかりとしたコメントを残していたシーンも非常に頼もしい。

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 寓話的な物語性を持ったライヴも、日向坂というグループのひとつの特徴であることは間違いない。しかし、この二日間彼女たちが描いたライヴ/パフォーマンス力に注力したライヴは、彼女たちがアイドルグループとして確かな実力を得ていることの証明となる時間となっていた。

過去最大の虹が証明した繋がり

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 事前に告知されていた通り、本ライヴは過去最大キャパシティでの開催となった。一方、会場が大きくなるにつれ、単純におひさま(日向坂46ファン総称)とメンバーの距離が遠くなってしまうことは避けがたいことだと思っていたのだが、むしろその逆の光景を目にすることとなる。前述もしたが、各所に配置されたサブステージを存分に生かしたライヴ演出はもちろんのこと、メンバー全員が乗り込んだ列車型のトロッコやメンバー命名の「ソリッコ」(ソリ型のトロッコ)に乗って、メンバーが客席の近くでライヴを届けるシーンが非常に多かった。

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 そして感動的なシーンを目の当たりにする。 定番となっていた“JOYFUL LOVE”はもちろんのこと、初披露となった“思いがけないダブルレインボー”でも2日目には美しい虹(しかも本当に二重の虹)が客席に架かった。おひさまとメンバーの絆がサイリウムの虹となって具現化された光景――それも、今までとは比較にならないほどの広い会場で生み出された虹の大きさは、今まで共に歩んできた彼女たちとおひさまが育んできた繋がりの強さを象徴しているようだった。

 会場が広くなろうとも、決しておひさまとの繋がりは捨てない。そんなグループとしての姿勢が最大規模の会場だからこそ浮き彫りになったと言っていいだろう。

今までとは違う「約束」

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 アンコールでは、誰もが気になっていた「あの約束」を発表した。2022年3月30・31日にグループ初の東京ドーム公演を『3周年記念MEMORIAL LIVE ~3回目のひな誕祭~』として行うことが決定したのだ。2019年のひなくりでサプライズ発表されてから、延期に延期を重ねた彼女たちの夢の舞台。キャプテン佐々木久美はこのように語った。

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 「2019年に東京ドームでやるよって言われた時は、サプライズだったし、私達で大丈夫なのかなっていう気持ちだったんですど、その時から2年も経ったので状況も変わって、少しは日向坂46として自信をつけて活動できるようになりました。また2年経って、改めて私たちの口から『東京ドームでやるよ』って皆さんにお知らせできたのが、本当に嬉しいです」

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 ひらがなけやき時代から、数々のサプライズ発表に対して、おひさまだけではなくメンバー自身も驚いてきたという歴史がこのグループにはある。その度に、数々の壁を乗り越えてきた彼女たちだが、“約束の卵”という楽曲に乗せて歌い続けてきた約束は、メンバー自らの口で発表する形となった。今までとは違う形であるからこそ伺える、メンバー自身が今東京ドームに挑む覚悟と自信。純粋なライヴパフォーマンスを中心に突っ走った『ひなくり2021』のステージも、まさにその象徴だったと言えるだろう。

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 「自分たちが東京ドームでやるグループにまでなれたのかってーーそういう自覚というか覚悟は、この2年間で大分つきました。なので、最高のひな誕祭をお届けしたいと思います。皆さん待っていてください!」――このように力強く語ったキャプテンの姿は、今最も頼もしい。願わくば、「22人」で迎える最高のハッピーオーラに満ちた空間を待っている。今度こそ、「約束の卵」の孵化を迎える時はもうすぐだ。
(撮影:上山陽介)(テキスト:黒澤圭介)

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日向坂46「ひなくり2021」2021年12月24,25日 セットリスト

Overture
1. アディショナルタイム
2. 膨⼤な夢に押し潰されて
3. ソンナコトナイヨ
4. アザトカワイイ
5. 好きということは... (24日:どうする?どうする?どうする?)
6. 世界にはThank you!が溢れている (24日:沈黙が愛なら)
7. この夏をジャムにしよう(24日:Right?)
8. 嘆きのDelete
9. まさか偶然...
10. こんなに好きになっちゃっていいの?
11. 川は流れる
12. ホントの時間
13. 何度でも何度でも
14. ⽇向坂
15. My fans
16. キツネ
17. ってか
18. 誰よりも⾼く跳べ
19. 思いがけないダブルレインボー
20. JOYFUL LOVE

EN1. 君しか勝たん
EN2. 約束の卵

日向坂46 公演情報

日向坂46「3周年記念MEMORIAL LIVE ~3回目のひな誕祭~」
【日程】 2022年3月30日(水)、31日(木)
【会場】 東京ドーム
「ROAD TO TOKYO DOME」特設サイト

詳細な情報については 日向坂46公式サイトよりご確認ください

日向坂46 リリース情報

日向坂46 6rdシングル「ってか」

日向坂46 6rdシングル『ってか』
商品形態:
初回仕様限定盤TYPE-A CD+Blu-ray(SRCL-11941~11942)税込1,900円(税抜1,727円)
初回仕様限定盤TYPE-B CD+Blu-ray(SRCL-11943~11944)税込1,900円(税抜1,727円)
初回仕様限定盤TYPE-C CD+Blu-ray(SRCL-11945~11946)税込1,900円(税抜1,727円)
初回仕様限定盤TYPE-D CD+Blu-ray(SRCL-11947~11948)税込1,900円(税抜1,727円)
通常盤 CD only(SRCL-11949)税込1,100円(税抜1,000円)
「ってか」特設サイト: https://www.hinatazaka46.com/s/official/page/6th_single

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この記事を書いたのは

黒澤圭介

音専誌『MUSICA』/MASH A&Rなどを経て、現在は札幌在住。某メディアに所属しつつ、ライターも気ままに継続中。
音楽・映画(特にSF)・小説・珈琲・特定のラジオを好みます。
情報発信はこちらより。

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