【日向坂46・渡邉美穂卒業セレモニーレポ】歓びの涙が繋いだ飛行機雲の未来

 日向坂46(以下日向坂)は、6月28日(火)東京国際フォーラム ホールAにおいて「渡邉美穂卒業セレモニー」を開催した。
 約束の地・東京ドームでのライヴの余韻も冷めやらぬ中で発表された二期生・渡邉美穂の卒業。けやき坂46(以下ひらがなけやき)時代からこれまでも別れを告げてきたメンバーはいたものの、「卒業セレモニー」という形で彼女たちがメンバーを見送ることは初めて。センセーショナルな加入として語り継がれる二期生の中心メンバーとして、そして加入直後からひらがなけやき/日向坂の躍進を、文字通り屋台骨となって支えた彼女の最後のステージにはどのような光景が生まれたのか。まるで運命に導かれたかのように「22人」が創り出したラストステージは、グループを太陽のように照らし続けた渡邉のパーソナリティが凝縮された時間となったことと同時に、日向坂にとって新たな物語の始まりを告げる夜となった。

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「ハッピーオーラ」を渡すために

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 渡邉の卒業発表から約3か月。会場一面が空色と白色のペンライトで埋め尽くされる中、渡邉、富田鈴花、松田好花の「ごりごりドーナッツ」の3人が影ナレを担当して会場を盛り上げると、遂に“Overture”がスタート。渡邉のこれまでの姿が映し出された時点で涙を流すおひさま(日向坂ファンの総称)が続出する中、主役がステージに登場。彼女が卒業セレモニーという時間の始まりに選んだのは、ひらがなけやき時代の象徴とも言える“ハッピーオーラ”という楽曲だった。

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 この時点で渡邉が「卒業セレモニー」という大切な時間をどのように過ごしたいのかは明白。感傷的に最後の時を過ごすこと以上に、彼女はグループに注ぎ続けた愛情の軌跡を「笑顔」で綴ることを望んだのだ。自身の憧れの存在であった長濱ねるの欅坂46専任が発表されて間もなく、ひらがなけやき二期生としてグループに加入した渡邉。加入後すぐに中心メンバーとして走り出した彼女が、初めて表題曲でフロントメンバーとなった楽曲は“ハッピーオーラ”だった。ひらがなけやきというグループの根幹をなす楽曲に、太陽のような暖かさを与えてきた彼女は最後のステージでも弾けるような笑顔を披露。後輩という立場でありながらも、一期生の加藤史帆というセンターを同期の小坂菜緒と共に隣で支え続けた楽曲を、上村ひなの以外の三期生も含めたメンバーと披露するという瞬間は、二期生として先輩から受け継がれた襷を後輩へと託すようなエポックな瞬間となった。

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 笑顔の幕開けを迎え、ステージに立つメンバーが口を開く。キャプテン佐々木久美は「来てしまいました、この日が」と語ると、当の渡邉は「実感わかないですねぇ(笑)」と語り、終始和やかな雰囲気で時間が過ぎていく。ドラマ『声春っ!』で長い時間を共に過ごした一期生の佐々木美玲、オーディション時点から共に過ごしてきた同期の宮田愛萌、そして後輩として渡邉の愛情を受け取ってきた山口陽世が口を揃えて彼女への感謝を伝える。そして改めてキャプテンの久美は、グループとして初めて卒業セレモニーというかたちで渡邉を送り出せることの喜びを伝えると、渡邉からこのような言葉が。「私のラストのステージで奇跡のように全員が揃うっていう……持ってるなって(笑)」――事実、彼女たちが22人揃ってステージに立つということは有観客ライヴとしては実は初めてのこと。「全員で楽しく」とハッピーオーラでステージを彩ることを改めて渡邉が告げると、22人が横一線に立ったという奇跡に違わない、誰が欠けても成立することのないステージが更に展開されていった。

後輩として、先輩として、二期生として

 ここからのタームは、VTRやクイズ企画などの演出を挟みながら、渡邉にとって思い入れのある楽曲の数々が披露されていった。そのすべての楽曲が彼女の卒業セレモニーという夜を彩る上で、予め用意されていたかのようなストーリーを綴り続ける。

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 まず会場に映し出されたのは、加藤と上村が渡邉を語る様子だった。それぞれ渡邉からすると先輩/後輩と立場が違うにも関わらず、2人が揃って話すのは彼女の「優しさ」と「明るさ」。二期生という立場で常にバランスを取りながらムードを創り出してきてくれた彼女に「卒業してからは毎日楽しんで欲しいな。(中略)やりたいこと、いっぱいやってくれたらみんな嬉しいよね」と加藤が言葉を告げて飛び込んだのは“やさしさが邪魔をする”。一期生〜三期生が初めてユニットを組んだ「リスペクトスリー」による楽曲は、渡邉を送る立場である加藤と上村、そして送られる立場である渡邉に強烈にリンク。夢を掴もうとする大切な人に対し、本心を「やさしさ」で隠して引き留めずに見送る歌は、まさに両者の立場を描いていて、涙を浮かべつつも、その悲しみを堪えるようにステージに立つ加藤の美しい表情も相まり、序盤にしてハイライトのひとつだった。

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 そしてここからは、同期である二期生との時間が訪れる。冠ラジオよろしく、丹生明里の明るいテンションで楽曲紹介となる影ナレが流れると、同郷の金村美玖、丹生、渡邉が埼玉3人娘改め「カラーチャート」として“あくびLetter”を披露。ミドルテンポの楽曲も相まって、彼女たちの関係性だけが生み出せる暖かな空間を生み出していた。

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 続けて、二期生の加入当時に撮影をした場所で松田、金村、富田が渡邉との思い出を映像の中で語ると、ステージ中央に渡邉が登場。独り、スポットライトを浴びる中で二期生の3人が渡邉に贈った詩は「飛行機雲が空に絵を描く/まるでそれはあなたの人生の地図/優しさを与えすぎて心の花が枯れちゃう前に/ちゃんと水やりするんだよ/あなたの選んだ道に間違いはない/夜には綺麗な星空が見えるから/私たちに与えてくれた愛情 思いやり 明るさ/心に虹を架けてくれてありがとう/あの時の素直な気持ち/いつまでも忘れないあなたで」というもの。

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 その言葉に渡邉が涙ぐむ中、夜空のように輝くステージと共にイントロに飛び込んだのは“半分の記憶”。初めてグループに誕生した二期生楽曲は、誕生の時と同じように「9人」全員がステージに立った。右手には同期での旅の際に作った「組紐」を携え、初期の頃のような個性の強さが故の自己主張と愛情への渇望が目立つようなステージングとは異なり、経験を積み上げた先にチームとして並び立つ姿を9人全員で披露できたことは、彼女たち自身にとっても未来へ繋がる時間だったに違いない。続いて披露された“沈黙が愛なら”という、愛を「分け合う」楽曲を自然と涙を流しながら届ける姿もまた、彼女たちが同期として歩んできた絆の証拠と言えるだろう。

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 そして小坂が久しぶりにセンターに立ち、グループ全員で渡邉の背中を押すようにエールを届けた“青春の馬”もまたひとつのハイライトを生む。初披露時に濱岸ひよりの復帰を彩ったペアダンスは、この日は渡邉の手を小坂が取ることで彼女の旅立ちを後押しするシーンに変貌。同時に、小坂にとっては自らの復帰までの時間を近くで支えてくれた渡邉への感謝の想いが迸ったのであろうーー彼女と渡邉が笑顔で目を合わながら踊る光景は、『DASADA』というドラマにおける両者の関係性も含め、この日を象徴するシーンの一つとなった。

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 その後、河田陽菜と丹生がMCとなり「二期生だけが知っているミホワタナベクイズ」に突入するが、急激に卒業セレモニーとは思えない雰囲気がステージに広がる。明るい雰囲気で卒業を迎えたいという彼女らしい時間はこの日だけの特別な演出のブリッジとなり、まさかの組み合わせとなった楽曲が続く。渡邉は三期生とは“Right?”を、そして一期生とは“それでも歩いてる”を披露したのだ

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 前者は渡邉自身が強く望んだというエピソードも話していたが、自らの卒業セレモニーにおいても三期生という後輩に手を差し伸べる姿があまりにも彼女らしい優しさの表現であったし、後者は2つだけ多い椅子の数という演出も含め、他の二期生とは違う形で一期生と出逢うこととなった彼女が『Re:Mind』というドラマに、本当の意味で終止符を打つような時間となった。

 二期生という、グループの中間を担う世代として活動してきた渡邉美穂。後輩として過ごしてきた日々、先輩として過ごしてきた日々、そして二期生という同期の中で過ごしてきた日々、すべてを抱き締めて昇華をする様な姿ーー彼女の暖かなパーソナリティと努力の姿がグループにもたらしてきた、奇跡のようなバランスを実感する時間となった。

歓びの涙が描いた飛行機雲

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 オードリーからのサプライズメッセージを経て、「いくしかねぇので」と同期の河田のように気合を入れ直してから突入した後半戦は、怒涛のピークタイムの連続。約束の地でのライヴを経て、新たな日向坂としてのスタートを告げた“僕なんか”では、渡邉は最後列の中央に立ち、メンバーの背中を見守るように新たな決意を告げる楽曲を彩った。

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 一期生と二期生が初めて一緒に創り上げた“NO WAR in the future 2020”という楽曲は、今では三期生も共に披露するようになり、渡邉は満面の笑顔を見せる。いつものように加藤とふざけ合うシーンも見せる中、渡邉に意外なプレゼントが。ラストシーン、一期生の齊藤京子と渡邉がグータッチを交わしてラストのポーズを取るのだが、この日は齊藤が渡邉をハグ。数え切れないほど披露してきた楽曲で生まれた光景に、渡邉も思わずはにかむ表情を隠すことはできなかった。

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 間髪入れずに突入したのは、最新にして最後の現二期生楽曲“恋した魚は空を飛ぶ”。体調を考慮して全員の参加は叶わなかったが、センターに立つ渡邉のダンスのキレと感情のスイッチの切り替えの強さを再確認する時間に。鬼気迫る表情で、この日最もダークな表情を携えながらソロダンスを持ち前のキレで決め、彼女がパフォーマンス面でもグループにとって大切なピースであったことは明白だった。

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 そして、聞き馴染みのあるイントロと共に再びメンバーがステージに集う。久美と加藤が観客を煽ると、渡邉がいつもの久美に代わり「みんな全力で行くぞ、誰よりも高く跳べーー!!」と叫んで雪崩れ込んだのは“誰よりも高く跳べ!2020”。今まで何度も何度もステージからおひさまを盛り上げてきた楽曲も、現メンバーで披露するのは今日が最後。ラスサビ前に恒例となった久美がおひさまを最高潮に煽るシーンも、この日は渡邉にその役を譲る。「おひさま、跳べーー!!」という言葉で迎えた最大の高揚と共に、渡邉の涙腺も完全に崩壊。ひらがなけやき時代から彼女たちを此処まで連れてきてくれたキラーチューンは、今日も今日にしか生まれない「ライブ」での顔を見せつけた。

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 そしてこの日、最も語るべき一連のシーンが訪れる。彼女自身のナレーションと共に渡邉美穂というアイドルが辿ってきた歴史が映し出されたのだが、オーディション当時の映像、そしてオーディション合格直後に語っていた彼女の言葉に改めて驚いた。ひたむきに努力をするということ、観る人に勇気を与えるような存在になるということ、全体を見ることができるような存在になるということ、どんなポジションでも個性を活かして輝けるようになるということーーそのどれにおいても、彼女は有言実行を果たしていたのだ。たとえ自身のポジションに対する悩みが生まれてもグループを支え続け、想いの強さが故に零れ落ちてしまう涙と共にアイドルとしての日々を「抱きしめ続けた」渡邉は、“飛行機雲ができる理由”という楽曲でラストフライトを迎えた。

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 「飛行機雲」という言葉で人生の軌跡を歌った楽曲の中でセンターに立ち自由に空を飛ぶような彼女の姿も、彼女を中心にして形作られた22人の日向坂という飛行機の輝きも、そして彼女との時間を噛み締めるように涙を浮かべるメンバーの姿も、すべてが軌跡となってこの日だけの空の上で一枚の絵を描いた。卒業に際して描かれた絵というのは、切ないものであることは間違いない。だがしかし、それ以上にその絵に描かれたのは笑顔だろう。「私はずっと日向坂46の渡邉美穂です」と卒業というタイミングで言い切る強さとグループへの愛情を持ち続けた彼女は、日向坂という一枚の絵が笑顔で溢れるように、最後まで太陽のように照らし続けたのだった。

太陽はまた昇るから

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 感動的な本編を終え、アンコールが沸き起こった。鳴り止まない拍手が続く中、遂に渡邉美穂が登場してセレモニーがスタート。彼女は空色のドレスに身を包み、万巻の笑みを浮かべながら会場を見つめていた。第一声に「アンコールありがとうございます」という言葉が出るところが、あまりにも彼女らしい真摯さの表れだと感じたが、「今、素直に感じることを伝えるのが一番私らしいかなと思って」という言葉を届けると、そのまま彼女は用意をしたものなどを読むことはなく、おひさまを見つめながら言葉を届けた。聡明な彼女らしく、本当に丁寧に今までの自らの道のり、そしてスタッフやメンバーへの感謝の言葉を涙ながらに紡いだ時間は、おそらく自分自身とも対話するような時間にもなっていたのだろう。そして最後に残したのは、やはりおひさまへの言葉だった。

 「やっぱり私が一番感謝をね、伝えたいなって思うのはおひさまのみなさんですね。今日もこうやって会場で話を聞いてくださったり、配信をご覧になってくださってるかと思うんですけど、皆さんがいなかったら今の私はいません。みなさんの何気ない一言が私を勇気づけてくれたし、卒業を決めた今でも『うちらは寂しい』と言って惜しんでくれるのは凄く凄く嬉しいし、『寂しいけど美穂ちゃんの幸せを願って送り出すね』って言ってくれるファンの人がいるって、本当に私も幸せだなって思います。本当に私をーー私を見つけてくれてありがとうございました。『好き』って言ってくれてありがとうございました。本当に5年前ひらがなけやきのオーディション受けて、よかったなって思います。これから日向坂は四期生も新しく入って、もっと違った形になってくると思うし、永遠に同じものなんてないから、この先いろんなグループが見えてくるのかなって思います。それでも私は卒業したらおひさまになれるし、外からグループを見たことが実は一度もないので、また違った景色から見れるのは楽しみだなって思います。私は本当にグループが大好きで、メンバーが大好きで、絶対絶対、みんなには幸せになってほしいです。共にいろんなことを乗り越えてきた仲間たちを、私はこの先の人生もずっと応援しています。そして、私はこれからまた違った道を自分の足で歩き始めますが、もっとなりたい自分になって、また皆さんと違った形で会えるのを楽しみにしています。(中略)改めて、5年間本当にありがとうございました」

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 涙を零しながらも、気高ささえも香り立つようなスピーチ。この日最大の拍手が会場に鳴り響くと、「美穂ーー!!」という言葉と共に同期の二期生がステージに現れる。金村の「美穂だからこそ、こんなに沢山の人に愛されていたんだよ」という言葉も、濱岸の「これからも焼肉いっぱい行きたいね」という言葉も、自然体でこの1日を楽しんだ渡邉の姿があったからこその飾らない気持ちだろう。ステージに笑顔と涙が溢れる中、言い残したことある?と松田が言うと、「美穂に言えてなかったことがあるの」と富田からサプライズの発表が。驚く渡邉を中央の椅子に誘うと、ステージには三期生の上村も登場。そして、ゆっくりと富田がピアノで音色を奏でた楽曲は“君のため何ができるだろう”だ。彼女は渡邉の卒業発表直後、ブログで渡邉とシンメの関係でもあるこの楽曲を聴いて欲しいという言葉を残していた。<君のため>であり<明日のため>の歌ーー彼女発信で生まれたと言う本楽曲のサプライズは、あまりにも渡邉に捧げる歌として相応しい歌詞の世界観も相まって、アイドルが披露するライヴ云々を超え、人間が独りが独りと繋がることでしか生まれることのない「愛情」という感情の美しさに満ち溢れていた。

 ラスト、メンバー22名全員がステージに現れる。キャプテンの久美が「日向坂に、ひらがなけやきに入ってくれてありがとう。この先美穂が卒業した後も日向坂をちゃんとグループとしてやっていくって約束するね」とメンバー全員の気持ちを代弁した姿、初めて先輩の卒業を迎えた高橋未来虹が「私たちにくれた色々なものはあったけど、今度は美穂さんに幸せになって欲しいなって思います」と涙と共に語った姿はもちろん温もりに溢れた時間だったが、渡邉とこれまで同期として歩んできた小坂が残した言葉は、中でもエポックなものだった。共に二期生を引っ張っていく存在として、想いを共有できる存在がいたこと救われたということ、そして何よりも休養中も自分自身の「手を離さないでいてくれたこと」への感謝ーー「それが私の中で此処に戻ってくるきっかけにもなったし、それがなかったら私は今此処に立てていなかったかもしれないなと凄く思っていた」と話した彼女。渡邉美穂という存在の大きさを改めて実感すると共に、彼女が救った未来を大切にしたいという想いが、メンバーにもおひさまにも溢れたに違いない。
 遂に訪れた正真正銘のラストシーン。「22人で最後の曲をお届けしたいと思います」という久美の言葉に続いて、渡邉が自らの口で伝えた最後の楽曲は“JOYFUL LOVE”。ーーこの日も会場に生まれた美しい虹を観て、当たり前のことでありながらも、改めて感じたことがある。客席に架かる虹は、日向坂というグループから多くのものを受け取っているからこそ、「君のために何ができるだろう」とおひさまが生む光であるということだ。おひさまの想いが具現化された虹を常にフロントメンバーとして受け取り続けたからこそ、渡邉は日向坂にとって太陽のような存在としてグループを照らし続けることができたのかもしれないとさえ思う。ーーそれほどまでに、彼女が空色のキャンバスの中で描いてきた飛行機雲の傍には、太陽が生み出した虹がよく似合う。
 彼女はステージを去る直前に「私の5年間いたこのグループを、改めてみなさんで守り続けてください」という言葉を残した。渡邉美穂というメンバーの卒業は間違いなく大きな別れである。しかし、いつかは誰しもが迎える別れの日を歓びの涙で包み込むことが出来たという経験は、きっと残されたメンバーにとっても大きな救いになるに違いない。約束の地でのライヴ、そして大きな別れを経た日向坂は、四期生の加入と共に間違いなく新章へと歩みを進めるだろう。しかし、日向坂という飛行機雲の未来はこれからも間違いなく明るい。「私もおひさまになれる」ーーそう、彼女たちを照らす太陽には頼もしい味方が加わったのだから。
(カメラ:上山陽介)(テキスト:黒澤圭介)

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セットリスト

日向坂46 「渡邉美穂 卒業セレモニー」
2022年06月28日(火)
at 東京国際フォーラムホールA

Overture
1. ハッピーオーラ
2. やさしさが邪魔をする(加藤史帆、渡邉美穂、上村ひなの)
3. あくびLetter(金村美玖、丹生明里、渡邉美穂)
4. 半分の記憶 (一期生)
5. 沈黙が愛なら(二期生)
6. 青春の馬
7. Right?(三期生+渡邉美穂)
8. それでも歩いてる(一期生+渡邉美穂)
9. 僕なんか
10. NO WAR in the future 2020
11. 恋した魚は空を飛ぶ(二期生)
12. 誰よりも高く跳べ!2020
13. 飛行機雲ができる理由

EC1. 君のため何ができるだろう(二期生+上村ひなの)
EC2. JOYFUL LOVE

日向坂46 リリース情報

日向坂46 7thシングル「僕なんか」

7thシングル「僕なんか」
発売日:2022年6月1日(水)
商品形態:
初回仕様限定盤TYPE-A CD+Blu-ray(SRCL 12140~1)税込1,900円(税抜1,727円)
初回仕様限定盤TYPE-B CD+Blu-ray(SRCL 12142~3)税込1,900円(税抜1,727円)
初回仕様限定盤TYPE-C CD+Blu-ray(SRCL 12144~5)税込1,900円(税抜1,727円)
初回仕様限定盤TYPE-D CD+Blu-ray(SRCL 12146~7)税込1,900円(税抜1,727円)
通常版(SRCL 12148) CD only 税込1,100円(税抜1,000円)
※初回仕様限定盤・封入特典:応募特典シリアルナンバー封入・メンバー生写真(各TYPE別22種より1枚ランダム封入)

「僕なんか」特設サイト: https://www.hinatazaka46.com/7th_single/
公式サイト: https://www.hinatazaka46.com
公式Twitter: @hinatazaka46
公式TikTok: https://www.tiktok.com/@hinatazakanews?lang=ja-JP
公式YouTubeチャンネル: https://www.youtube.com/channel/UCR0V48DJyWbwEAdxLL5FjxA

「日向坂46『3周年記念MEMORIAL LIVE ~3回目のひな誕祭~』in Tokyo Dome」DVD&Blu-ray
発売日:2022年7月20日(水)
商品形態:
【完全生産限定盤】
『3周年記念MEMORIAL LIVE ~3回目のひな誕祭~ -DAY1 & DAY2-』
5DVD / SRBL-2070~4 / ¥11,636+tax (¥12,800)
3Blu-ray / SRXL-370~2 / ¥15,273+tax (¥16,800)
・三方背BOX仕様
・特典映像「Behind the scenes of 3回目のひな誕祭 in Tokyo Dome」収録
・フォトブックレット
・ポストカードセット封入(6枚組 ※全46種のうち6枚1セット封入)

【通常盤】
『3周年記念MEMORIAL LIVE ~3回目のひな誕祭~ in Tokyo Dome -DAY1-』
2DVD / SRBL-2075~6 / ¥4,727+tax (¥5,200)
Blu-ray / SRXL-373 / ¥6,545+tax (¥7,200)

『3周年記念MEMORIAL LIVE ~3回目のひな誕祭~ in Tokyo Dome -DAY2-』
2DVD / SRBL-2077~8 / ¥4,727+tax (¥5,200)
Blu-ray / SRXL-374 / ¥6,545+tax (¥7,200)

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この記事を書いたのは

黒澤圭介

音専誌『MUSICA』/MASH A&Rなどを経て、現在は札幌在住。某メディアに所属しつつ、ライターも気ままに継続中。
音楽・映画(特にSF)・小説・珈琲・特定のラジオを好みます。
情報発信はこちらより。

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