「わたしは大丈夫、を疑ってみよう 」誰にでもなる可能性がある、乳がん。
2025.04.11
サッポロファクトリーで開催されたHTB春の感謝祭の一環として、「はなさく生命プレゼンツ 私は大丈夫を疑ってみよう 女性のがん編」というトークイベントを開催しました。
進行は・・・
HTBアナウンサー 森さやか
乳がんサバイバーである阿久津友紀、
札幌フィメールクリニックの矢嶋彰子先生にご登壇いただきました。
乳がん検診 北海道は下から2番目、の現実
矢嶋先生は、乳がん検診の受診率向上のため、女性が受診しやすい環境づくりを進めています。乳がんは誰にでも起こり得る病気であり、早期発見が重要であると強調します。
阿久津:北海道のがん検診の受診率はどれも低いです。特に乳がん検診受診率は全国平均よりも低く、47都道府県中下から2番目という現状です。
森:受診率の低さの原因・・びっくりするんですよね。
矢嶋先生:札幌にはたくさんの検診機関がありますけれども、北海道の広大な土地に市町村があって、そこに乳腺の専門医や乳がん検診を定期的に行える施設がない、アクセスの悪さが一つの問題ではあります。たくさん施設がある札幌でもそこまで受診率が高くない、というのも残念なところで女性がどこか「自分は大丈夫」と考えがちであることや、恥ずかしさから受診を避ける傾向があるのではないかと思います。
森:子供の健康診断などは親御さん一生懸命受けるわけですよ、でも自分自身のこととなると後回しにしがちですよね。
矢嶋先生:女性特有の子宮頸がんや乳がんというのは30代くらいにり患率が高まってきます。仕事をされている世代、子育てや親の介護とかなかなか自分のために時間を割けない年代に好発年齢が被っていることもあると思います。
阿久津:地方の町村部だと年に何日しかマンモグラフィーの車が来ないのです。
矢嶋先生:見知った顔のそろった中に足を踏み入れるのがちょっと戸惑われる、そんなところもあるかと思います。
だからこそ、、子どものころから『がんの基礎知識』を。
HTBでは北海道教育庁と協力して、がん教育動画を制作しました。(北海道教育庁YouTubeで公開中)
onちゃん、okちゃんと一緒に学ぶことができます。
がんは、人体の細胞のコピーミスによって生じています。人間の体には37兆個の細胞があります。傷がついたり、寿命を迎えたりするとその分だけ分裂して新しい細胞をコピーします。その際、コピーミスによって生まれるのががん細胞です。
実は、毎日1,000個以上のがん細胞が発生しているのですが、免疫システムによって通常は排除されます。しかし、排除されずに生き残るとしこり、腫瘍ができてしまうのです。がんは誰にでもなる可能性があるといえます。
また、乳がんは1cmの腫瘍ができるまでに10〜20年かかりますが、そこから2cmになるまでには1〜2年しかかからないため、早期発見が極めて重要なのです。
乳がんの基礎知識
乳がんの検診方法には、マンモグラフィーと超音波検査(エコー)があり、それぞれの特性を理解した上で、できれば両方受けることが推奨されます。マンモグラフィーでは特に高濃度乳房の女性は乳腺の影響で病変が見えづらいことがあるため、エコー検査を組み合わせることで精度を高められるとされています。
乳がんの治療法は日々進歩しており、新しい免疫療法や副作用の少ない治療法も開発されており、日進月歩です。例えば、がん細胞の特定の部分をターゲットにした治療が増えており、期待が持てます。個別化医療が進み、その人にあう、選択肢も広がっています。
しかし、ここで課題となるのはがんと診断された瞬間、ココロが崩れ、悩んでしまう、という現実です。
森:阿久津さんは最初に自分のがんを見つけられた時にどんな風にその後を進めて来られました?
阿久津:いっぱい泣きました、いっぱい悩みました。なんですけれどもお腹すくんです。ということは私まだ生きていて・・・ご飯を食べないとお腹がすくということは私まだ生きてきていいのかなっていう風に思ったのです。そして、どうせ辛い思いをする時間が過ぎていくのであれば、少しでも楽しい思いをして過ごした方がいいのかもしれないなっていうふうに切り替えられた時から結構、気持ちのコントロールができるようになってきました。
この間、がん研有明という有名な病院の清水先生という腫瘍精神科の先生に伺ったお話をできればと。
不安という言葉は身を守るための、ものすごい大切な感情なんだそうです。
不安があるからこそ自分でこう選ぶんだ、こういう風に選んだ方がいいかもしれないなって悩む。それ自体はまったく悪いことではないのです。
そういうことで適切に情報を得て行動に変えられる。その部分が不安ということなので、不安を必ずしも恐れすぎてはいけないんだよということを教わりました。
あとは運動とかお料理とか何でもいいんですけどカラダを動かすということが不安を覚えにくくなるということです。何かちょっと気分転換を少ししてみるだけで全く違った感情が出てくるのかなと思うので参考にされてみたらどうかなというふうに思います。
森:私もやっぱり40歳を過ぎまして、身近な知り合いとかお友達がやっぱり乳がんにかかられてという方も結構いるんですよね。みんな言うのはやっぱり自分の子どもたちにその病気のことを言わないで頑張った方がいいのか、言うんだったらどう伝えたらいいんだろうとすごく悩んでいる声を聞くんですけれども、先生は患者さんたちにどんなふうに伝えていらっしゃいますか?
矢嶋先生:時々、率直にそういう相談いただくことがあります。まずは親にもちょっと伝えられないという方が多いです。
一通り治療が落ち着いた時点で、実はこんなことあったんだなんて言って、親と話して泣いてきたなんていう患者さんもいました。一方、お子さんで何歳男の子女の子、女の子だからどうだっていうことではないんですけどもやっぱり親が思うようにそれ以上に社会性もあって成熟していることも多いと思うので、やはり手術した後、傷跡があったりしますから、目に見える場所のがんですのでね。乳がんっていうのはある程度打ち明けていってそしてそういうことが起こらないように検診を受けることなんかについても親子で共有してもらってもいいんじゃないかなと思うんですよね。
なんか人生で重大なことがあったのに、秘密にされたのかみたいな、そういうようなこともあっては良くないし、ただ塞ぎ込ませてしまうのもいけないし。でも年齢などを考慮してアドバイスをするようにしています。
森:家族の中でもそうですけれども、職場で働いている仲間に打ち明けるという時もあると思うんですけれども。アクツさんと私もそういう関係性でありましたけれども打ち明けられた時にどういう言葉をかけるのが一番いいのだろうかというのもやっぱり迷うところでもあると思うんです。
阿久津:非常に難しくて・・・かけるべき言葉を聞かれるということが私もものすごく多いのでクイズに入ってみましょうか。
【はなさく生命】I’m OK?Action乳がん検診@札幌市 5/10
https://timerex.net/s/life8739.lp_market/c048139c/
(続く・・・次回はクイズから)
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