2040年の北海道、どうなってる? 自治体・企業・学生が本気で未来を語る「夜明け会議」に参加してみた

2040年。

こう書くと、ずいぶん先の未来のように感じるかもしれません。でも2026年から数えれば、あと14年。今の小学生が社会に出て、今働いている私たちの暮らしや仕事も、かなり変わっているはずです。

そんな「近い未来」の北海道について、自治体、企業、大学生など、普段はなかなか同じテーブルにつかない人たちが一緒になって考える場があります。その名も「夜明け会議」。
9月25日、札幌で開催された「北海道夜明け会議2026」のキックオフに参加してきました。

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会場は札幌4丁目プレイス13階の「SAPPORO Social Innovation Hub」。仕事帰りの金曜夜にもかかわらず、自治体職員、企業関係者、学生など、さまざまな立場の参加者が集まっていました。

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そもそも「夜明け会議」って?

夜明け会議は、多業種・多世代の参加者が、2040年の日本の未来を考え、そこから社会的な価値を生み出していこうというデロイトトーマツ主催のプログラムです。
2025年から東京でスタートし、今年2026年には札幌でも初めて開催されることになりました。

今年度は「教育」「職業・キャリア」「生活インフラ」が大きなテーマ。今回の北海道での取り組みでは、自治体、企業、学生など約40人が参加し、半年ほどかけて議論を重ねていきます。
そして2027年3月には、「私たちが目指す未来」と「そこに向けて何をするのか」を発信する予定です。

個人的に面白いと感じたのは、未来を「当てる」ことが目的ではないこと。
未来に起こりそうな変化を考えながら、「では、自分たちはどう動くのか」まで考える。しかも、その議論を行政だけ、企業だけでやるのではありません。立場の違う人たちが混ざって考えること自体が、この会議の大きな特徴です。

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最初のテーマは、かなり重たい。「人口減少」

キックオフ前半では、「人口減少社会におけるまちづくり」をテーマに、石狩市、恵庭市、江別市、札幌市、北広島市の担当者によるクロストークが行われました。

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「人口減少」。文字だけを見ると、なかなか明るい話にはなりそうにありません。実際、話題になったのはかなり現実的な問題でした。高齢者向けのサービスを必要とする人が増える一方、それを提供する働き手は減っていく。人口が減っても住宅地がきれいに外側から縮んでいくわけではなく、空き家が点々と生まれれば、水道や道路などのインフラは広い範囲で維持し続けなければならない。これまで「人口が増える」ことを前提につくられてきた公共施設や交通、行政サービスも、そのままの形では維持できなくなっていくかもしれません。

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ただ、話を聞いていて意外だったのは、思ったほど暗い話にはならなかったことでした。
ある自治体から出たのは「緩和と適応」という考え方。人口を無理に増やすことだけを目標にするのではなく、人口が減ることを前提に、それに合わせて社会の仕組みも変えていく。若い人が一度北海道を出ることも、必ずしも悪いことではない。むしろ、「いつか戻ってきたくなる街にする」という考え方も語られました。

また、他の自治体からは、自治体同士で公共施設を共有するという話も。すべての自治体が、すべての施設を自前で持ち続ける必要はない。近隣の市と施設をシェアすることで、人口が減っても暮らしの質を維持していく。これはかなり印象に残りました。「所有すること」が当たり前だった行政サービスにも、シェアという発想が入り始めているんです。

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他にも、GXやデータセンター、大学との連携など、人口減少とは別の方向から地域の可能性をつくろうとする動きも紹介されました。そして出てきたのが、「右肩上がりではない豊かさ」という考え方。人口が増える。経済が拡大する。施設が増える。これまで私たちは、そういう状態を「成長」や「豊かさ」と捉えてきました。でも人口が減っていくのなら、「豊かさ」の定義そのものを変える必要があるのかもしれません。ここまで聞いた時点で、人口減少というテーマの見え方が少し変わっていました。

後半は、今度は私たちが未来を考える

後半は参加者によるワークショップ。ここから一気に雰囲気が変わります。

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テーマは、「2040年の北海道に影響しそうな変化は何か?」。
AI、人口減少、教育、交通、通信、外国人、半導体、データセンター、自然環境……。未来に影響を与えそうな変化動向を「変化ドライバー」と呼び、まずは一人ひとりが付箋に書き出していきます。その後、同じテーブルのメンバーで共有。さらに、誰かのアイデアから「それならこんな変化もあるのでは?」と発想を広げていきます。

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これが、かなり面白い。同じ「2040年の北海道」を考えているはずなのに、立場によって出てくる言葉が全然違うんです。行政の視点。企業の視点。学生の視点。地域にずっと住んできた人と、北海道外から来た人でも違う。一人で考えていたら、まず出てこない話が次々と出てきます。

私が書いたのは「LOVE」

ちなみに私が付箋に書いた言葉の一つが、「LOVE」でした。かなりふざけているように見えます(書いた自分ですら趣旨に沿っているのか少し不安でした笑)。
実際、テーブルでも「LOVEって何ですか?」と聞かれました。でも、わりと真面目です。

私は神奈川県出身ですが、大学進学をきっかけに北海道へ来ました。その後、北海道で働き、今も暮らしています。仕事があるから。自然が好きだから。釣りやキャンプが好きだから。そして、家族がいるから。人がある地域に住み続ける理由って、突き詰めると「そこが好き」という感情もかなり大きいのではないでしょうか。

条件だけを比較すれば、別の街の方が便利かもしれない。給料が高い場所もあるかもしれない。それでも、「ここに住みたい」と思わせる何か。それも地域の未来を左右する「変化ドライバー」になり得るのではないか。そんなことを考えました。

別のテーブルに行くと、別の2040年があった

ワークショップでは「ワールドカフェ」という方法も使われました。各テーブルに一人だけ残り、ほかのメンバーは別のテーブルへ移動。そこで、別のグループが考えた未来の話を聞きます。

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すると、また面白い。「将来は都市に住んでいる必要がなくなるのでは?」「建物の設計は海外でして、現地では3Dプリンターで造るようになるかもしれない」「気候変動や技術の進歩で、野菜は畑ではなく工場でつくるのが普通になるかもしれない」。そんな話まで出てきます。

もちろん、どれが正解なのかは誰にも分かりません。むしろ、この会議では最初から「未来に正解はない」という前提が共有されています。だからこそ面白い。自治体の人が答えを教えるのでもない。企業が計画を説明する場でもない。学生も含めて、同じテーブルで「こうなるかもしれない」「いや、こっちじゃない?」と考える。肩書きが違っても、未来については全員が同じスタートラインに立てるんです。

未来の話って、意外と面白い

今回参加して、いちばん印象に残ったのはそこでした。人口減少。高齢化。インフラ老朽化。働き手不足。単語だけを見ると、北海道の未来には難題ばかり並んでいます。

でも、その未来について自治体、企業、学生が同じ場所で話してみると、「じゃあ、こう変えたらいいのでは?」「こんな可能性もあるんじゃない?」という話が次々に出てくる。未来について話すこと自体が、思っていた以上に面白いんです。

2040年まで、あと14年。正解はまだありません。
でも、行政だけでも、企業だけでも、学生だけでもなく、違う立場の人たちが一緒になって未来を考える。その場がすでに始まっていることには、ちょっとワクワクしました。

「夜明け会議」という名前の通り、まだ何が見えてくるのかは分かりません。これから半年。この議論がどこまで広がっていくのか。私自身も参加者の一人として、引き続き考えていきたいと思います。

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この記事を書いたのは

SODANE編集部

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