陰性になっても終わりじゃない 治療費がかさみ苦しむ患者
2020.07.10
陰性が確認されたあとの治療費は自己負担になることを知らされた家族。
終わりの見えないコロナの後遺症に苦しむ患者と家族がいます。
「コロナおさまってもまだ女房歩けないし、手も足も動かない状態の中で公費じゃないですよって言われた」と患者の家族は話します。
症状の重い患者を100人以上診てきた北海道医療センター。ここには、陰性になった後もリハビリを続ける患者が多くいます。
4月末に感染、人工肺、エクモをつけて治療をし、一命を取り留めた60代の女性。
1か月近く寝たきりだったため筋力が低下、陰性となり、一般の病棟に移ったあともリハビリが続いています。
女性は「疲れる。食事のリハビリが一番疲れる薬だと思って食べないと、鼻から管が抜けない。それでも目が覚めたときに比べたら全然いいです。」と話します、
陰性は確認されたものの肺炎自体はよくなっていないため体の中に酸素が十分に取り込めません。
女性「これでいいかな?きょうの食事は」
リハ『いいですよ』
目が覚めたら、歩けなくなっていました。
『1,2、3、4…』
まだ、退院が見えない中、陰性になったあとの医療費は自己負担。
家族はこの話を知りませんでした。
女性の夫は「8万~10万円はかかる10万円以上かかるかなと思いますよ」「半年になるのか1年になるのかまだわからない中で負担し続けていくのは厳しい状況です」
新型コロナウイルスは国の指定感染症のため治療費や検査代は全額公費で負担されます。
しかし厚労省によると、PCR検査で2回連続陰性が確認されるなどして「他人に感染させない」と診断されてからは治療費は原則、自己負担になります。
女性の夫は「元の体に戻る保証もないし、あとさきがみえない中で簡単にコロナが消えたから終わりだよというわけにはいかないんじゃないかと」「健康な体に戻ってもらえればと思いますよ。それが唯一の願いですよ」
リハビリが始まって1か月。この日、自分の足で立つ訓練が始まりました。
『せーの、よいしょ。立てましたね』「立てましたね」
2か月ぶりに、自分の足で立てました。
理学療法士は『歩くまでの第一歩ですね』と笑顔で語りかけました。
「ゲホッゲホッ」女性はせき込んでしまいました。
医師からは自宅に帰るまであと半年から1年と言われています。
女性も、その家族も戦いが続きます。
「(退院したら何がしたいですか?)何がしたいってことはないけどやっぱり家族に会いたい面会できないので誰にも会えないから家族に会いたいです。」
テレメンタリー2020 たたかう生命の守り人
7月11日(土)午後1時半(北海道)
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