今年で引退 浦野・白村選手との思い出・・・FFFFF ここだけの話②

 HTBのファイターズ応援番組・FFFFF(エフファイブ)、前回の放送は、今シーズン限りで現役を引退した浦野博司投手と白村明弘選手を取り上げました。 同期入団で、共に現役生活は7年間。取材やFFFFFのロケで何度もお世話になった2人だけに、やはり寂しい思いがあります。今回は、お二人のお話にお付き合いください。

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FFFFインスタに掲載した浦野投手の似顔絵

 まずは浦野投手。大学、社会人を経て、2013年秋のドラフト会議でファイターズから2位指名を受けました。翌年のルーキーシーズンは先発として7勝をマークする順調なスタート。若干アウトステップしながら体を開いて投げるような、ちょっと変わったフォームでしたが、「左足がマウンドにつくっていうところからもう一つ下半身が粘ってくるからタイミング合わせるのが難しいんだよな」という声を取材でよく耳にしました。
 結局この年が、プロ野球選手としてのピークになりましたが、「肩の骨が壊死する」という医師にも前例がないと言われた故障を乗り越えてマウンドに立ち続けた姿は、多くのファンの心を捉えていました。
 
また、浦野投手と言えばその人柄も非常に魅力的でした。プロ野球選手になりたて、24歳の若者の頃から、いい意味で枯れ感があるというか。実家が茶畑だけに、一度お茶で煮出したような、そんな飄々とした脱力感、相手に緊張感を抱かせないような、柔らかい雰囲気がありました。
 スタジオジブリの映画が大好きでカメラの前でよくモノマネをしてもらったり(ごめんなさい。一度も使うことが出来ませんでした…)、「最近美術館巡りが楽しいんですよね~」という話をしたり、愛犬のココちゃんがいかに可愛いかを熱く(めったに熱くならないのに)語ってくれたり。野球の話よりも私生活の話がメインになることも多かったかもしれません。

 10月31日。安室奈美恵さんの『Hero』 が鳴り響く札幌ドーム。引退登板に臨む浦野投手は、溢れる涙をこらえることが出来ませんでした。それはベンチで見つめるチームメイトも、スタンドのファンも同じでした。「もしかしたらあしたも野球をやるんじゃないか」そんなことを考えながら投じた3球。7年間の現役生活。101試合で18勝13敗16ホールド7セーブ。そんな数字では語れない程、チームメイトとファンに愛された証が、そこにありました。

 引退試合が終わったあと、選手たちの間にはある共通認識が生まれました。それは、

「やっぱり登場曲って大事だよね」
 
 引退試合という球場の雰囲気と安室奈美恵さんの曲がベストマッチだったため、こんな会話になったようなんですが、宮西投手(登場曲は、「イェイイェイイェイイェイ!」でおなじみの『Sweet Song』LADY BiRD feat.ソンイ)は「おれの時は絶対しんみりした雰囲気にならんやろうなー」と一言。10年以上変わらなかった宮西投手の登場曲。まさか、遠い未来の現役引退をにらんで変更する、なんてことはあるんでしょうか。

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同じく白村選手。コメント欄は「似てない!」で埋め尽くされた…

 一方この人は、爽やかにプロ野球選手としての自分に幕を引き、次の世界へ踏み出そうとしています。白村明弘。未だに投手と呼びたくなるほど、2015年の活躍は鮮烈でした。
 浦野投手と同じ2013年のドラフトで6位指名を受け、慶応大学から入団。2年目の2015年、一気に頭角を現します。150km/hを超えるストレートとフォークボールを武器に50試合に登板。強気なピッチングで何度もチームのピンチを救い、防御率2.03の好成績を収めました。特に印象的だったのは、当時正捕手だった大野奨太選手(現・中日)が「今のチームで一番ストレートがいいピッチャーは(大谷)翔平じゃなくて白村」という言葉。それぐらい強いボールを投げていました。
 しかしそれ以降は登板数が減少。2018年は僅か3試合の登板に終わると、2019年の春、キャンプの途中で外野手への転向が発表されます。それから2シーズン。野手としては一軍出場僅か1試合で、現役を退くことになりました。
 「やりきりました。後悔があったらトライアウトを受けたかもしれないけど、トライアウトの“ト”の字もなかた」
 すっきりした表情で、すでに次のステージに向けて動き始めています。
 それでも、涙が全くなかったわけではありません。FFFFFのインタビューで、ファーム外野守備担当の紺田敏正コーチとのエピソードを語ってくれました。

 「ありがとうございましたって言いに行ったら、2人で話そうって言われて。『お前に教えるよりも俺が学ぶことの方が多かった』って言われて泣き出してしまって。僕もそれまで泣いていなかったのに号泣でした」

 投手5年、野手2年。常に挑戦を続け、その楽しさも辛さも味わってきたという白村選手。今後は、野球とは別の世界でこの経験を生かしていこうとしています。ただ、「野球が大好き」という気持ちに変わりは無いようです。
「みんなの試合をスタンドから応援しに行くのが、今は楽しみです!」


*FFFFF公式インスタグラムでも選手の似顔絵やOA情報を公開中です!

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この記事を書いたのは

谷口直樹 FFFFFプロデューサー

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