予算1000円でごちそうレシピ!
“料理の鉄人”で和食の鉄人を務めたシェフを師匠と仰ぎ、ミシュラン北海道で一つ星を獲得した和食料理人が、そのスキルを応用して、1000円で4人分ができるレシピを考案。専門である和食をベースに、師匠譲りのジャンルを超えたアイディアを盛り込み、美味しい3品の作り方を教えてくれます!
今回この企画に協力してくれたのは、札幌市中央区、多くの人気店が入るグルメビルで存在感を示す「古今山久(ここんやまひさ)」。
ミシュランガイド北海道2017において一つ星に輝く、日本料理の名店です。
こちらのご主人、山根明宏(あきひろ)さん、実は、ある有名な料理人の弟子なんです。日本料理界の巨匠といわれる、中村孝明(こうめい)が師匠です。
中村孝明(こうめい)さんとは、かつて一世を風靡した料理番組で和食の鉄人と呼ばれたカリスマ的な料理人です。
山根さんは『中村さんは、日本料理だけではなく、他の料理にも精通し、和洋折衷の料理を作る方、僕も洋食、中華などいろいろな料理を自分なりにアレンジ。遊び心を入れた料理を提供している』と話します。
そんな日本料理の鉄人イズムを継承した、山根さんが今回考えてくれたレシピは・・・
山根さん『和食にとらわれない簡単でボリュームのある料理を作ります。』
おウチにある調味料を除いて、たった1000円以内でという節約予算で、いったいどんな ごちそうができるのでしょうか。
一品目に作るのは「揚げ野菜と豆腐の肉味噌掛け」
■揚げ野菜と豆腐の肉味噌掛け《材料費532円》
ネギの香り豊かな鶏の肉味噌が素揚げにした野菜や豆腐の美味しさを引き立てる一品。味付けに中華の調味料であるテンメンジャンを使うことで、味わいをまろやかに。長ネギが使う場所によって味わいが異なるという豆知識もご紹介します。
かかった費用は、調味料を除いて532円です。
まずは肉味噌を作りましょう。
ゴマ油に、鷹の爪の辛みを移したら、みじん切りにした長ネギとショウガを炒めます。長ネギに部位の中でも甘いとされる白い部分を使うことで・・・
『白い部分を使うと肉味噌により一層甘みが加わります』
野菜のうま味と甘みがしっかり溶け出たところで、鶏の挽き肉を投入!
お肉に火が入ったら、お酒を加えてひと煮立ち。ここで和食にはあまり使わない、中華でお馴染みの調味料で、山根さんらしいアレンジを加えます。
テンメンジャンを入れるとまろやかに!
さらに仕上げに味噌と砂糖を入れて、軽く煮詰めたら肉味噌が完成!
水切りをした豆腐を一口大に、ナスは乱切りしたものを。食べやすいサイズにしたシイタケ、ピーマンをコゲつかず、油っぽくならないように一気にさっと揚げます。
最後に山根流は大皿で盛り、ボリューム感と具材の豪華さを演出!その上に肉味噌もたっぷりと!
山根さん『余ったら、いろいろな料理に使えるのもポイントです!』
「揚げ野菜と豆腐の肉味噌掛け」が完成。テンメンジャンで作る肉味噌は、味噌感がキツくなく、まろやかな味わいなので、豆腐と野菜のうま味や甘みが口の中いっぱいに広がります。
二品目はキムチ茶碗蒸し 野菜あん《材料費181円》
使いきれずに余ってしまいがちなキムチ鍋の素を活用して一味違う茶碗蒸しに。あんに使う野菜も、使い切れずに冷蔵庫に余った野菜を活用できるので、在庫整理もできてしかも美味しい一石二鳥メニューです。
最初に、茶わん蒸しの命ともいえる卵を溶いていきますが、早くも山根さんからのアドバイスが・・・
『白味と黄身をしっかり合わせる。そうしないと、ムラになります!』
よく混ぜたら、蒸していきます。いろいろな鍋の素を活用すれば、レパートリーも広がります!
この時、ザルなどで濾してなめらかにするとさらに口当たりもよくなります。今回は家族で取り分けることを想定して大皿で蒸し上げました。
続いては、その上にのせる野菜あんを作ります。ダシに醬油とみりんを加えて、沸騰させ・・・
ハクサイに火が入ったら、長ネギ、エノキ、ニラも入れ、最後に、水溶き片栗粉で、とろみをつければ、野菜あんの出来上がりです。
蒸しあげた茶わん蒸しの上に、野菜たっぷりアツアツのあんがかけたら完成です!
今回、キムチ鍋の素を使った茶わん蒸しと、あえて鍋の定番野菜で作ったあんの味が相性抜群!トロっとしていて、プリンとした食感がたまりません。
大き目の器で作れば食卓で存在感もあり。家族が盛り上がること間違いなしです。
ここまでご覧の二品でかかった費用は合計713円。残りの予算は287円となりました。
和食のプロ、山根さん直伝。簡単でボリューム抜群のでっかいおいなりさんとは・・・!?
3品目は野沢菜いなり《材料費271円》
みんな大好きないなり寿司に一工夫。野沢菜漬けと一緒にごま油で炒めたご飯を、巻き簾代わりにラップを使ってお揚げでクルクル。ごまの香る“巻いた”いなり寿司は、見た目も楽しく、家族みんなで作っても盛り上がりますよ。
野沢菜漬けを使った、子供が喜ぶいなりずしを日本料理のプロが大胆アレンジ。大きな揚げを使って、遊び心満載の一品に仕上げます。野沢菜がなければ、からし菜や小松菜などの漬物でも代用OK。
まずは、薄揚げをつくります。
搾った油揚げは、ダシと醬油、みりん、砂糖で味をつけて行きますが、あっさり目に炊くのがポイント。
油揚げを炊いている間に、野沢菜漬けを使ったご飯を作ります。とっても簡単です。
野沢菜に醤油などをいれ、炒めたらあったかごはんに混ぜるだけ!
巻き方にも一工夫。巻き簾がなければラップでOK。油揚げを広げ、その上に1合分のごはんをのせ・・・
そして巻いていきます。少し折りたたんだら・・・油揚げとご飯を密着させるために一度止め、空気を抜き、もう一度巻いたら再度しっかり固めて最後は一気に巻いて包みます。
食べる直前に切り分け完成!漬物の風味と香ばしさがたまらない、野沢菜ご飯のおいなりさん。
味もボリュームも満点で家族も大喜び間違いありません。
調味料を除いて1000円以内に見事おさまりました。
さすが、和食の達人。山根さんありがとうございました。
【ご協力いただいたお店】
和食 古今山久
札幌市中央区南3条西8丁目 大洋ビル2F
TEL:011-596―7233 午後5:30~10:00 水曜定休