JR函館本線・厚別駅からほど近い一軒家、もくばコミュニティハウスで毎月第4木曜日に開かれている、今年で8年目を迎えるこども食堂「もくきち」。7月9日(日)、調理場では、なにやらそうめんを一口サイズに丸めています。きょうは、もくきちが主催して行う「七夕まつり」の日。朝早くから準備が進められていました。
もくきちの七夕名物は流しそうめん。コロナ禍で3年の中断があったため、4年ぶりの開催です。普段はこども食堂に来ない地域の子どもたちにも来て欲しいと、近くの札幌市立信濃小学校に案内を配ったところ、事前になんと180人を超える応募がありました。さぁ、大変!もくきちのスタッフ9名だけでは足りないので、地元町内会の厚別中央振興会の役員さん、信濃小学校で設立36年の歴史がある保護者の会「信濃小親父(おやじ)の会」、そして毎回こども食堂にボランティアを派遣している札幌学院大学の学生の応援も得て、総勢約30名あまりで子どもたちを出迎えます。
「七夕まつり」の会場となった木馬公園には、巨大な流しそうめんの台が出来上がっていました。この日は、最高気温が30℃を超える真夏日。かき氷やジュースなども用意して、熱中症対策にも気を配ります。始まる前は小雨が降って心配しましたが、青い夏空が広がり、子どもたちの楽しそうな歓声に会場はつつまれました。流しそうめんでは、そうめんだけではなく、キャンディやみかんも一緒に流されて、子どもたちは大喜び。そういえば、こんな大勢の友だちと一緒に集まる機会はありませんでした。
「もくきち」に通っている子どもたちにこども食堂についてたずねてみました。
【こども食堂「もくきち」に通っている子どもたちの声】
「みんなで一緒に食べるともっと楽しいし、みんなと触れ合える」
「みんなと仲良くできたり、コミュニケーションがとれたりするので結構楽しい」
「もくきちではいろんな学年の子と出会えるから楽しいです」
ボランティアで参加した札幌学院大学生
國田翔平さん(法学部法律学科2年生)
「大学生になってから、こうして地域の人たちと関わることがなかったので、ボランティアをやりたいと参加しています。子どもはみんな元気なので、こちらも元気をもらえて楽しいです。大学での学びにも良い影響があると思います」
鈴木遥月さん(心理学部臨床心理学科3年)
「ボランティアは初めてですが、子どもたちの活気や地域の人たちが子どもたちのために一丸となってイベントをつくっていることを感じました」
約1カ月間準備に奔走したこども食堂「もくきち」代表の米坂尚美さん。
「子どもたちにとっても、普段会えない子どもたちに、こども食堂に来ていない子どもたちとも一緒に食事をする機会を提供できました。屋外だと保護者の方も安心だと思いますし。やっぱり子どもの声を聞いているだけで、私たちも元気になります。なんとか開催できて本当に良かったなと思います」
地域の人々の居場所になって欲しいとこども食堂「もくきち」を始めた米坂さんをはじめとするボランティアのお母さんたち。そして、それを応援する地域の人たち。こども食堂の役割ってなんですか?
こども食堂「もくきち」代表 米坂尚美さん
「こども食堂の役割というよりは、地域の居場所というのはそれぞれの地域で必ず必要になってくると思うんです。子どもだけじゃなくって、大人も高齢者の方々にとっても。地域づくりに大事なのは、みんなで理解しあいながら、互いに協力しあえることだと思います」
(私たちのSDGs情報部)
◻︎こども食堂「もくきち」HP
HTBは2022年から「サステナ宣言」をしています。
HTBサステナ宣言として、持続可能な社会をつくるための開発目標「SDGs」の情報を発信しています。
「サステナブル」=持続可能な地球、社会の実現のために定められた17の目標のうち今回のヘアドネーションは、3番「すべての人に健康と幸福を」、11番「住み続けられるまちづくりを」、17番「パートナーシップで目標を達成しよう」の目標にあてはまります。