私が「フェムテック」という言葉に出会った2019年。まだあまり耳慣れない言葉であった頃から5年が経ち、かなり身近に感じられるようになってきました。少し前までは雑誌で取り上げられるフェムテックアイテムを物珍しく見ているだけだったのに、今はインターネットや店頭で実際に購入して試せる機会も増えてきました。
生理(月経)や産後の不調・更年期など女性特有の体の悩みは多岐に渡りますが、人には言いづらいこととして、なんとなく「タブー」とされてきました。けれど、そうした悩みを一人で抱え込まずみんなで共有することで、「私だけ?」と思っていたことが、女性のメカニズムゆえの現象だと理解できると、気持ちも対策も変わります。
一人ではずっと気付けないままかもしれませんが、誰かと共有したり、新しい技術を取り入れたモノに触れることで、女性の暮らしは変わるのだと気づきました。
多くの女性が抱える悩みをテクノロジーで解決へ Femtech(フェムテック)とは
フェムテック=Femtechとは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけ合わせた造語で、女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決へと導く製品やサービスのことを指します。
現在フェムテック業界には、世界で2000以上の企業があります。そのほとんどが女性経営者によるものです。月経、不妊・妊活、セクシャルウェルネス、妊娠・産後、更年期などの女性の健康課題分野で、テクノロジーを用いて心地よく生活できるための商品が次々と開発されています。
最近でいうと月経カップや生理用吸水ショーツ、不妊治療をサポートするアプリなどが注目を集めています。
経済産業省によると、世界のフェムテック市場規模は、2025年には500億ドル規模にまで到達すると言われており、ニーズはまだまだ拡大していきそうです。
フェムテックに期待されることは、女性の健康課題だけではありません。ライフイベントによる「望まない離職」を防ぐことは、労働力の維持・確保にも繋がります。ライフイベントと仕事の両立を可能にし、女性が自分らしい道を選ぶことができるようになることにも期待を寄せています。
フェムケアは、決して恥ずかしいことではない
女性の心身のサポートにおいて「フェムケア」にも注目が集まっています。女性の心と身体は女性ホルモンによって大きく影響されます。生理痛やPMSによるイライラや不調はもちろん、デリケートゾーンの悩みも様々です。けれども、そんな悩みを一人で我慢してしまう女性が多いのは、特に日本は性にまつわることがタブー視される傾向が強いことも要因に。その背景の一つには「性教育の遅れ」という課題もあるのではないでしょうか。
私たちが小学生のころは、高学年になると、男女が別室に分かれて保健体育の授業が行われていました。それぞれに備わっている身体の話は「恥ずかしい」と、無意識に刷り込まれていたように思います。そして、友人や親にも「なんとなく話しづらい」ものになってしまったのではないでしょうか。
しかし、今は自分の身体に目を向けることや知ることは、決して恥じることではなく、毎日を快適に過ごし、自分の身体を守るために必要なこととして捉えられるようになってきました。
女性特有の健康課題やココロとカラダのケア「フェムケア」は決して恥ずかしいことではありません。どうしたら心地よく暮らせるか、ジェンダーの観点からも重要なことだと思います。
「思いやり」と「公平性」への一歩に
女性たちが様々なライフステージを乗り越え、自分らしく力を発揮できるように。
今を生きる女性のQOLの向上のためにも、これからのフェムテック商品やフェムケア市場に期待を寄せています。
女性にとって、身体の仕組みとして避けられない不調は、それがない人との間で相対的に不利〝ハンディ〟になることだってあります。タブーとせずに、悩みを共有しながら解決への一歩をふみ出すことが必要です。
女性の身体や健康に関する知識や理解が、社会での「配慮」や「思いやり」を育み、「公平性」が保たれるようになることを願っています。
HTB創世ミモザマルシェ開催
HTBでは、今年初めて「HTB 創世ミモザマルシェ」を2024年3月8日(金)〜3月10日(日)までの3日間、開催します。
5年前からずっと温めてきた企画が、コロナを経て、やっと形にすることができました。
3月8日国際女性デーを北海道でも広め、女性のエンパワーメントをみんなで応援する気運を高めていきたい。女性が「女性のために」と言葉にしていい、ポジティブなエネルギーが溢れる会場に、是非お越し下さい。
【催事名】
HTB 創世ミモザマルシェ
【日 時】
2024年3月8日(金)~10日(日) 〔3日間〕
8日(金) 正午~午後6時
9日(土) 午前10時~午後5時
10日(日) 午前10時~午後4時
【場 所】
HTB本社1階 onちゃんテラス 入場無料 無料配布も
札幌市中央区北1条西1丁目6番地
【ホームページ】
https://www.htb.co.jp/ichimoni/marche/mimosa/