氷点下の避難所、その現実は? 札幌市「真冬の防災訓練」リポート【サステナ宣言!】

氷点下の避難所、その現実は? 札幌市「真冬の防災訓練」リポート

いつ起こるかわからない自然災害。特に北海道民にとって最も恐ろしいのが、厳寒期における被災です。 先週、青森県東方沖を震源とする大きな地震が発生した際も、津波警報に伴い多くの人が寒い中で避難を余儀なくされました。

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「もし今、暖房の止まった体育館で過ごすことになったら?」

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その過酷な現実を体験し、備えを見直すため、札幌市東区の丘珠小学校で行われた防災訓練に土屋アナウンサーが参加しました。この日は大雪で最高気温も氷点下という、まさに「真冬」の気象条件でした。

体育館の床は「底冷え」との戦い

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避難所となる体育館に入り、まず直面するのは床からの強烈な冷気です。 訓練では、避難者用に毛布と寝袋が用意されました。実際に寝袋に入ってみた土屋アナウンサーは、「体育館の床の硬さはあるものの、寝袋があるだけで随分と緩和されます」とコメント。しかし、シート1枚に毛布だけでは、コンクリートの冷たさが体に伝わってくるといいます。

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また、会場には「段ボールベッド」も設置されました。これは高齢者や妊産婦、障害のある方などが優先的に使用できるものです。 周囲に「ついたて」があるため、「人の目も気にならず、安心感があります。寝返りもしっかり打てますね」と土屋アナ。プライバシーの確保と、床から距離を取ることによる防寒効果の両面で重要性が確認できました。

「水だけで温かいご飯」が心と体を救う

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極寒の避難生活において、何よりの活力となるのが「温かい食事」です。 今回の訓練で注目されたのが、火を使わずに少量の水だけで加熱できる特殊な容器を使用した非常食体験です。

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土屋アナが試食したのは、20分で出来上がる「わかめご飯」。 「ちゃんと柔らかくなっています! 炊き立てのお米のような甘みも感じられて美味しい。普段食べているような味が避難所でも食べられるのは嬉しいですね」

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不安な避難生活の中で、温かく、かつ食べ慣れた味を口にすることは、精神的な安定にも大きく繋がります。

命をつなぐ「水」の確保

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食事と同じく欠かせないのが「水」。屋外では給水車からの給水体験も行われました。 使用されたのは、背負うことができるリュック型の「給水袋」。目盛りまで水を入れると約6リットル(6キロ)の重さになりますが、土屋アナは「それなりに重さはありますが、リュックのように背負うので持ち歩くのは苦ではないですね」と感想を述べました。 雪道を歩いて水を運ぶ北海道の冬において、両手が空く・背負えるという形状は非常に重要なポイントと言えそうです。

参加者が肌で感じた「足りないもの」

実際に訓練に参加した地域住民の方々からは、切実な声が聞かれました。

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「訓練だから厚着をしてきましたが、これが夜中でパジャマのまま逃げることになったら大変なことになる」 「シートを敷いても底冷えがすごい。冬の寒さに対して訓練していかなければいけないと感じた」

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札幌市東区市民部総務企画課の平岡浩明さんは、今回の訓練の意義についてこう語ります。 「今回の体験を通じて『足りないものは何か』に気づいていただき、次の行動につなげてもらいたい。厚着をする、カイロを用意するなど、各個人の日頃の対策が重要になってきます」

まとめ:公助だけでなく「自分仕様の備え」を

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VTR後のスタジオでは、出演者たちが「自宅に備蓄はしていても、いざという時にそれを持ち出せるか」「バラバラの場所に置いていないか」といった課題を口にしました。

行政による備蓄(公助)には限りがあります。特に防寒対策については、自分や家族が寒がりなのか、何が必要なのかによって備えるべきものが変わります。 「非常用持ち出し袋」の中身は夏仕様のままになっていませんか? 改めて「真冬」を想定し、カイロの増量やアルミブランケットの追加、防寒着のすぐそばへの配置など、備えをアップデートしておく必要がありそうです。

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SODANE編集部

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