【かゆくない水虫が9割?】専門医に聞く、足以外にも広がる意外な症状と今日からできる予防法
2026.06.21
気温や湿度が上がってくると、何かと気になり始めるのが足元のトラブルですよね。その代表格とも言えるのが「水虫」です。放置してしまうと重症化するリスクもあるため、正しい知識を持って予防することが大切になります。今回は、札幌市中央区にある「白いあさがお皮ふ科スキンケアクリニック」の福田朝子院長に、水虫の意外な実態と正しい対策について詳しくお話を伺いました。

日本人の5人に1人が悩む身近な病気。実は「かゆみがない」ケースがほとんど?
水虫の正体は「皮膚糸状菌」、別名「白癬(はくせん)菌」と呼ばれるカビの一種です。この菌が皮膚に感染することによって引き起こされる感染症で、年齢を問わず誰でも発症する可能性があります。特に高齢の方や、免疫力が低下している方は注意が必要です。
白癬菌は高温多湿の環境を好むため、これからの暑くなる季節に一気に増える傾向があります。驚くべきことに、日本人のおよそ5人に1人が水虫を抱えているという報告もあり、非常に身近な病気と言えます。
水虫と聞くと「激しいかゆみ」をイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし、福田院長によると、実際にはかゆみを伴わない場合が非常に多いのだそうです。日本皮膚科学会のホームページなどでも、かゆみを感じる人は全体のわずか1割程度という報告が上がっています。つまり、「かゆくないから自分は大丈夫」と思い込むのは禁物なのです。

あなたの足は大丈夫?水虫の3つのタイプと見分け方
かゆみが出ないとなると、どうやって見分ければよいのでしょうか。水虫には大きく分けて3つのタイプがあり、それぞれ症状が異なります。
1つ目は、足の裏や指の付け根あたりに小さな水ぶくれができる「小水疱(しょうすいほう)型」です。 2つ目は、足の指の間がふやけたり、皮がむけたり、白くなったりする「趾間(しかん)型」です。 そして3つ目が、足の裏の皮膚が硬くなり、ガサガサと角質が厚くなってしまう「角質増殖型」です。
どのタイプもかゆみを伴わないことが多いため、水虫だと気づかずに放置されがちです。福田院長は、水虫の予備軍と言われる人は3〜4人に1人はいると言われており、実際にはそれ以上多いかもしれないと指摘します。足の指の間が白くなっていたり、皮がむけていたりする場合は、すでにサインが出ている可能性があります。

足だけじゃない!手や頭、さらにはペットから感染することも
水虫は足だけの病気だと思われがちですが、実は体のさまざまな場所に感染します。手や股の間、さらには頭にまで白癬菌が感染することがあるのです。
手に感染した場合は足と同じように皮がむけたり指の間が白くなったりします。股の間に感染すると、膜を張ったような皮がむけ、丸く赤黒くなってしまうのが特徴です。また、頭に感染した場合は、強いかゆみや大量のフケが出たり、円形脱毛症のように毛が抜けてしまったりすることがあります。一見すると水虫とは思いもよらないような症状が出るため、自己判断が難しいポイントです。
さらに、水虫になりやすい人の特徴として、長時間の同じ靴の着用や、指の間が狭く蒸れやすいといった環境が挙げられます。また、銭湯やプール、ジムなどの共有マットを通じて感染するケースだけでなく、室内で犬や猫などの動物を飼っている方も注意が必要です。実はペットもこの菌を持っていることがあるため、動物から人へ感染するルートも存在します。

最悪の場合は命に関わる危険も!?今日からできる簡単予防策
もし水虫をそのまま放っておくと、どうなってしまうのでしょうか。傷口から他の細菌が入り込んで足が腫れ上がり、歩くだけでも激しい痛みを伴うようになる場合があります。特に高齢の方や免疫力が低下している方の場合は、菌が全身に回って臓器に機能不全を起こすなど、命に関わる事態に繋がる恐れもある恐ろしい病気なのです。
しかし、過度に恐れる必要はありません。白癬菌は、付着してもしっかり洗い流せば簡単に落ちる菌です。普段から足を清潔に保ち、お風呂上がりには乾いたタオルで指の間までしっかり拭き取ることが基本となります。
家庭内での予防策としては、同じ靴を毎日履き続けずに休ませること、床に落ちた菌を取り除くためにこまめに部屋を掃除すること、そしてバスマットを頻繁に洗濯することが効果的です。また、家族間でスリッパや爪切りを共有しないことも重要です。もし共有してしまった場合でも、除菌シートなどでサッと拭くだけで菌を排除できる可能性が高くなります。

かかってしまった場合の対策と、治療の根気
万が一、水虫にかかってしまった場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。治療には、皮膚によくなじんで成分が浸透しやすい軟膏やクリームタイプの塗り薬が一般的に使われます。
ここで最も大切なのは、薬を塗る期間です。市販薬や処方薬を塗り始めて症状が治まると、治ったと思って使用をやめてしまう方が多くいます。しかし、皮膚の奥に菌が残っている場合が非常に多いため、症状がおさまってからも2〜3ヶ月間は根気強く塗り続けることが再発を防ぐ鍵となります。
これからの季節を快適に過ごすために、日頃のちょっとした心がけで足元を清潔に保ち、水虫をしっかりと予防していきましょう。

