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鮮やかな色の地ラムネ、海産物の味はするのか?ーーうにラムネを飲んでみた

前回豚丼クッキーを食べたことで、「珍土産=まずい」という私に刷り込まれた常識は否定された。

(参考記事:豚肉、タレ、炭火。勝つのはどれだ?――「豚丼クッキー」を食べてみた

北海道には、まだまだ奇抜な珍土産が存在する。

「北海道"珍"土産シリーズ」3回目は、シリーズ初の飲料を紹介しよう。

小樽市の地ラムネ、ウニ要素は鮮やかな色にあり

今回紹介する北海道珍土産は、小樽市の地ラムネとして野島製菓株式会社が製造・販売する「うにラムネ」だ。

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うにラムネと聞いて私が真っ先に想像したのは、高級食材のウニをラムネに加えたとんでもない飲み物だった。

なんてもったいないことを......。と思ったが、このラムネにウニは入っていない。

心の底からほっとした。さすがに生ウニ入りのラムネは勘弁してほしい。

小樽の生ウニは、やはり新鮮なものを寿司や海鮮丼でいただきたい。

ではどこにウニ要素があるのかというと、ラムネの色だ。

小樽名物の新鮮な生ウニのようであり、暑い夏に輝く夕日のようでもある、濃いオレンジ色。

この色を出すために、合成着色料を使用せず、カロチン色素を使用するというこだわりぶりである。

せっかく美しいオレンジ色なんだから、みかんのラムネでも作ってラベルだけ変えれば良いじゃないか。

そんな素人的な考えが浮かぶ私とは違い、プロは色だけでなく風味でもウニ要素を感じさせる工夫を凝らしている。

うにフレーバーなるものを使い、ほんのりウニのしょっぱさを感じられるラムネに仕上げているそうだ。

しょっぱさ、要らないんじゃない?

普通に甘いラムネの方が、おいしいと思うんだけれども。

しかし、そこはやはりプロ。

ウニそのものを入れず、ウニの色や香りなどをイメージしたラムネを見事に作り上げた。

さすがは大正14年創業、95年もの長い歴史を誇る老舗食品メーカーの野島製菓。

ベテランがなせる技ということだ。

北海道には、発想の天才があちらこちらに潜んでいるようだ。

私だったら「小樽の名物を使った地ラムネを作りたい。そうだ、うにラムネにしよう!」なんて、逆立ちしたって思いつかない。

その大胆な発想、あっぱれである。

ベテランメーカーに敬意を表したところで、うにラムネを飲んでみよう。

うにフレーバーが織りなす、甘くもありしょっぱくもある繊細な風味

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ラムネって、何色だったかな。

本来の色を忘れかけてしまうほど、うにラムネは目を引く鮮やかなオレンジ色をしている。

口に運ぶのをためらうくらい、鮮明な色だ。

黒背景のラベルに堂々とウニのイラストが描かれているのだから、このためらいも自然なものだろう。

ちなみに、ラベルには注意書きとして、

「開栓時は噴き出す可能性がありますので、ご注意ください」

と記載されているので、本当に気をつけよう。

当然噴き出すものだと思って、大人しくシンクで開けよう。

そしてビー玉を押し込んで開栓するときは、興味本位でのぞき込まないようにしよう。

のぞき込みながら開けると、顔面にうにラムネを浴びることになる(と経験者は語る)

綺麗な色を楽しむためグラスに注ぎ、鼻を近づけると、若干しょっぱい香りがする。

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これが、うにフレーバーの力なのだろうか。

しかし、しょっぱさだけではなく、甘さも感じられる香りだ。

カスタードクリームにも似た甘くなめらかな香りの向こうに、かすかなしょっぱさが感じられる。

ラムネの香りでないことは明白だが、本物のウニのように磯の香りが強いわけではなく、そこまで抵抗感はない。

グラスを傾け、口に流し込んでみる。

炭酸の強さは、そこそこ。

喉に通してもビリビリしすぎず、ゴクゴクと飲める程度のちょうど良い刺激。

のどの渇きを癒しつつ刺激を求めたいときにぴったりの炭酸レベルだろう。

そして、肝心の味はというと。

かすかに塩気があるような気もするが、「しょっぱい!」とは思わない。

むしろ、甘みが強く感じられる。

塩気が入っているから、甘みが際立つのだろうか。

見た目からみかんジュースのような爽やかさを想像して飲むと、裏切られる。

もっと濃厚な、舌に残るような甘さだ。

ラムネ特有の爽快感ではなく、甘さが勝っている。

炭酸飲料としては類を見ないほど、濃厚な甘さが目立つ。

ウニの味では決してないが、普通のラムネの味でもない。

「うにラムネ」というネーミングから連想してしまう生臭さや磯臭さといったものは、皆無だ。

言われてようやく、「うにをイメージしているのかもしれない」と想像できる程度である。

悪ふざけに走ることなく、うにラムネというネーミングも裏切らない、絶妙な味に仕上がっている。

飲む前にある程度の勇気は要るが、濃厚な甘さとちょうど良い刺激を併せ持った炭酸飲料が飲みたい方におすすめだ。

神秘的な名称に恥じない、見た目も味もクールなラムネ

さて、野島製菓はうにラムネ以外にも、北海道の地ラムネを製造・販売している。

今回は、これまた味が想像できない「青の洞窟ラムネ」も紹介しよう。

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青の洞窟は、小樽の塩谷とオタモイの中間に位置する洞窟だ。

海水の透明度が高く、洞窟の出入り口から差し込んだ光が海面で反射し、洞窟内を照らすことで青く輝く。

その神秘的な美しさから人気を集め、クルージングやシュノーケリングのツアーは好評を博しているのだ。

そんな青の洞窟をイメージしたラムネをグラスに注いでみると、美しい小樽の海を再現した透き通る青色が目を引く。

普通のラムネは青色の瓶に透明の飲料が入っているが、こちらは透明の瓶に青色の飲料が入っている。

澄んだ青色は一般的なラムネの色とは大きく異なるものの、青の洞窟をイメージしたという謳い文句に恥じない美しさを醸し出している。

見た目の美しさだけで満足できそうだが、こちらも先ほどのうにラムネ同様、独特な香りがするのかもしれない。

グラスに注ぎ入れ、恐る恐る鼻を近づけてみる。

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わぁ、ラムネの香りだ。

これぞラムネ、という清涼感のある香りがする。

考えてみれば、ラムネからラムネの香りがするのは当たり前である。

しかし、これまでいくつもの珍土産を実食してきた私にとって、「食べ物が見た目どおりの香りを放つ」ことは、もはや当たり前ではなくなっていた。

ブルーの飲料から爽やかなラムネの香りが漂ってきたことに、感動を覚えてしまったほどである。

では、期待を込めて一口。

......おいしい。おいしいラムネだ。

通常のラムネは、炭酸が喉を刺激することで得られる爽快感が病みつきになる。

しかしこの青の洞窟ラムネは、炭酸の刺激に加えミントという新たな刺激も加わっている。

ブルーハワイに添えられたミントが、口内全体にスッとした清涼感を与えてくれるのだ。

刺激のダブルパンチにより、通常ラムネのさらに上をいく爽快感を味わえる。

これは、暑い夏キンキンに冷やしてゴクゴク飲みたい。

おいしいものを飲みたいけれど、北海道らしさも譲れないし、せっかくならユニークなものを選びたい。

そう考える方には、特におすすめできる。

夏の小樽観光時のお供に、ぜひ選んでみてほしい。

暑い夏の北海道観光で、地ラムネに挑戦してみよう

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今回は、うにラムネと青の洞窟ラムネの2品を紹介した。

どちらも名前から味が想像つかなかったが、おいしくいただけた。

小樽観光のお供に選ぶ際は、甘さを求めるならうにラムネ、爽快感を求めるなら青の洞窟ラムネが良いだろう。

どちらもキンキンに冷やしてからグイッと飲むことで、よりおいしさを堪能できる。

紹介する時期を盛大に間違えてしまった気はするが、それはさておき。

今年の夏は、北海道の地ラムネに目を向けてみてはいかがだろうか。

この記事を書いたのは

相良海琴

札幌在住のライター。 珍土産実食レポートやインタビュー音源記事化など、引きこもり型執筆スタイルを貫く。
人や商品の魅力を伝える記事を多数執筆。
写真が趣味で、撮影と記事執筆を同時に担当することも。
好奇心旺盛で食の冒険をすることが多く、不思議な食べ物を見つけたらとりあえず口にしてみる。