私、遺伝性乳がんなの? 見落とされたの?  46歳、両側乳がんになりました 57

検査・告知・手術・仕事復帰・・・誰かのお役に立てればと綴ります。

 いつもお読みいただきありがとうございます。無事に1年4か月の診察、クリアしました。

abefed31c5789f9ba890cecc032bf4f901c0e027.png

で、ちょっと私のもやもやを共有させてください。

  コロナ禍の第2波が落ち着いた段階でようやくBRCAの遺伝子検査を受けにいったお話は36回目でお話しました。(㊱はこちら→)

https://sodane.hokkaido.jp/column/202008041058000291.html

 BRCAで両側切除すれば、乳がんになる可能性が低くなり、卵巣をとれば卵巣がんになる可能性が低くなるので、結果、生存率が上がる、という。切除しなくてもフォローアップ含めて手厚いですし、もしも再発したときにはBRCA専用の分子的標的薬を使うこともできます。4月から一定の条件を満たせば保険収載となり、負担が3分の1になりました。(それでも6万くらい)

 ここで頭に置いておきたいのは、リスク低減手術を受けても『ゼロ』にはならないこと。手術をしない場合の10%ぐらいまで下がるという想定。ゼロにならないのは異所性乳腺や卵管細胞の存在、すでに微小な腹膜がんを発症している場合などが考えられるそうです。フォローアップ・手術を受ける際、主治医の先生などとご相談の際に考慮すべき点だと思います。

 遺伝子ゲノムなので父親と母親からもらった遺伝子のつながり、生まれ持ったもの、ということになりますので、家族への影響、そして兄弟への影響、子供への影響を考えなくてはいけないということになります。なので、この検査を受ける前には遺伝子カウンセリングが必須。お医者さんや認定の遺伝カウンセラーさんと1時間程度、どっぷりお話してから検査に臨み、また結果のフィードバックもしっかり行われます。

 私も検査を受ける前と後、かなり時間をかけて伺いました。

 思ったのは、これでもしも陽性だったら・・・。母からの由来かどうかは母も検査してみないとわからない。でも妹も持っている可能性がある。(この場合、親族がいる、ということで妹の検査費用は安くなるそうです)妹の予防的切除も考えねばならない。その場合、がんになるかも、という思いを彼女にさせてしまう。私自身も(もう両側とっているので取るなら卵巣なので)卵巣の手術をするかを考えなくてはならない。

 まだがんになる可能性のあるヒトを会社は雇うのか。(明確にルールはないのでどう考えるかは会社次第。)もう頭ごちゃごちゃしてきますね、ホント。

 現在の治療もしながら、こういったことを考えねばならないわけです。ホルモン治療の副作用に悩まされながら・・・。一方で、それでがんになったんだ、とわかり、再発しても使える治療薬がある、というのは心強いかもしれない。そんなことをもやもやして結果を聞いたわけです。

 で、さらにグレー・・・というかグレーでもない。【Inconclusive】BRCA1.

 BRCA2ではなく、BRCA1に由来する遺伝子の一部欠損しているけど、解析できない。受けた人の4%未満、という。

 他の遺伝子も含めて異常があるかないか調べる血液検査も存在しますが、わかったところで治療薬もないので受けるだけお金の無駄。今後、私の型が解析されて、どっちかがわかるときが来てほしいと思います。今は前向きにひとまず両側、全摘の選択はよかったと思おうと。

 主治医に1年4か月検診で結果を伝えたのですが、もうそれはBRCAではないとして生きて行って方がいいよ、と。

 先日、『更年期のホルモン補充療法(HRT)は乳がんの発症リスクの増加と関連する』という研究結果を、英ノッティンガム大学が出しました。14年前に60代で罹患した母はこれをしていましたので説明つくかもね、、と。じゃあ、私は何なんだ、と。

 私は20代でバセドー病になっておりまして、甲状腺ホルモンの治療をしていました。こういったこともリスクなのか??がんのサブタイプと病理を見ると少なくても乳がんのタネ?は10年前から存在しているわけで、十分若年性乳がんの範疇。4年ほど前に試しにPET検査を受けてまして、その際、左だけ指摘されたけどがんとは診断されませんでした。そのときにもうあったのではないか?右の説明は?などなど。もやもやです。

 もう切除したし、術後の治療もしているのでひたすらそれを信じていくしかないのですが、そんなに前向きでもいられない日もあります。

 コロナ禍で検診もおよそ通年で3割減っているだそうです。予測ではこの影響で数年後の死者数に影響が出るのではないかとのこと。適切な早期発見と治療はいのちを救います。自覚症状などがあり、迷っている方は検診へ。

 

がんとともに、、、。

番組、SODANEへのご感想、ご意見お聞かせください。
番組制作、今後のイベント、SODANEなどで活用させていただきます。
がんとともに生きる方、ご家族を持つ方、そうでなくても、もちろん、どんなことでも、構いません。
決して1人ではありません。

メッセージはこちらから
1

この記事を書いたのは

阿久津友紀

乳がん患者さんが治療中に被災したら? 『防災の心がまえ』をもとに『女性の病と防災』を考える おっぱい2つとってみた作者とHTB森アナウンサーが本音トーク 
https://youtu.be/AO8Xzebt0Ys

『おっぱい2つとってみた がんと生きる、働く、伝える(北海道新聞社刊)10月6日発売

おっぱい2つとってみた がんと生きる、働く、伝える

「LINE特集 「失われる自分らしさ」。乳がんになった私たちの3年間。例え、心が折れそうでも…」
https://news.line.me/detail/oa-htbnews/bt2o2l9r6cfc

YouTubeで乳がんについて配信しています!

ピンクリボントーク【ホルモン治療の副作用と簡単ヨガ】 
https://youtu.be/gOOiLPH-n2I

温泉ソムリエも取得しました!

『アピアランスケアを考える』
https://youtu.be/3qVd1xXFvaU

ピンクリボントーク 患者と家族と社会 ~生きてくのに必要なコト~
アーカイブ配信:無料
https://youtu.be/PS4eJMy4GcY

第4弾の”がん患者さんとココロ” 北海道の斗南病院の精神科長で登録精神腫瘍医の上村先生に伺いました。アーカイブは
https://youtu.be/D-j4RrGSgkw

これまでの動画は・・・
【乳がん】おっぱい2つとってみた

HTBノンフィクション おっぱい2つとってみた
【2020年日本民間放送連盟賞 番組部門 テレビ報道番組優秀賞受賞】
【2020年ギャラクシー賞 奨励賞】

HTBonデマンドで無料配信中!
https://www.hod.htb.co.jp/pg_nf/pg_id_nf006

テレメンタリー2020『おっぱい2つとってみた~46歳両側乳がん~』年間最優秀賞 
ギャラクシー賞・選奨(報道活動部門)/民放連 放送と公共性 優秀賞
活動の一部は・・・
youtubeLIVEでピンクリボントーク① 見逃し配信中!
https://sciencefestival.jp/event/breast-cancer/

合わせて読みたい