検査・告知・手術・仕事復帰・・・誰かのお役に立てればと綴ります。
いつもお読みいただきありがとうございます。土曜日に閉幕したCancerXのワールドキャンサーウィーク リポートの3回目 (2回めはこちら:https://sodane.hokkaido.jp/column/202102041620000613.html)
注目したのはCancerX教育 というプログラム。〜知りたい!まもなく始まるがん教育〜というサブタイトル。
私も同感の『子どもが学ぶと親も学ぶ人が増える』。
4月からだったのに、コロナで一年遅れてのスタートです。(もう導入されている学校は多数)導入前から取り組んでいるサバイバーの先生も取材しましたが(後日公開)心配ごとはつきないそうです。実際問題、親世代の偏見がそのまま伝わっているなあ、という印象。無意識の刷り込みは親世代、またその上の世代から脈々と受け継がれているように感じている方も多いと思います。
ここで難しいのは、『偏見を生まないがん教育』。学校で一斉にやるのは様々な立場の子どもさんがいるので気を遣われるところだと思います。日本女子体育大学の助友さんはがん教育は『正しく理解して自分で考えられる貴重な材料。』と話します。
実際に、サバイバーでご自身の学校以外でも講演をされている小林先生は『なんとなくわかっているようでわかっていない、保護者も一緒に学ぶ。おかれた状況で話したり、家族について接する話ができるのがいいのでは?』と話します。
一方で若尾さんは『白黒つけられない難しさ』を挙げました。『白黒つけたがるけどシンプルなものではない。遺伝も全部遺伝ではないし、生活習慣もグレー。伝え方が難しい、平均・一般的なものを伝えていく形。ガイドラインにはないが、がん教育の中で情報リテラシー、健康リテラシーも伝えていく必要がある。極度に恐れないことも大事』と話します。
そして、一方的なものも難しいと思います。受け身だけじゃなくて、グループディスカッションも必要で答えでなくてもそのプロセスが大事。そのためのテーマ設定が難しそうです。
自らも多くの講演をされている三好さんの意見が非常に参考になりました。『なるべく反対の言葉も一緒に伝えよう、としている。がん、楽勝では困る、そうじゃないこともどちらも学ぶことが大事とやっている。』この配慮はまだ一般的ではないように思います。
(がん患者連はガイドラインを出されています。http://zenganren.jp/?page_id=1835)
有名人の方が亡くなられると、お子さんは素直に受け止めてがんになると死んじゃうんだって?となります。がんとなって生きています、というニュースは圧倒的に少ないから。例としては『貧乏ゆすりしてたら、がんになるといわれた。』当事者意識のない親御さんにとっては正しくない知識が思わず出てしまう、よく見る光景。脅すような教育もよくないですし、でも楽観視しすぎるのもいけない。知識への正しい理解が大事だと再認識しました。
最後に話題になったのは無関心の人をどう動かすか。私も先日、友人からしばらくぶりに連絡をもらいました。ドキュメンタリーを見る勇気が出なかった、と。勇気をふり絞らないと見てもらえないようには作ってないので大丈夫と笑いましたが、多くの方は闘病記(この言葉嫌い)は重く感じるし、触れてはいけないものだと感じるし、がん=死のすり込みって想像以上、です。
『がんになったらかわいそうじゃなくて、わあ、がんばってるけど、がんばれないときがあっていいじゃん!自分らしく。それでいい。』これを認めあって、フォローしあえるのがいいなあと心から思います。
最終日には10年後の医療についての時間もありました。一度お話したいと思っていた上野先生。『業界・社会の意見をどう医療に取りこむのかが重要。足りないものがあれば、具体的に何が欲しいのか、その障害が何なのか。規制を変えなきゃいけないなら具体的に言った方がいい。声が社会を動かし、小さな声が大きなパワーを生む』が心にしみました。
https://cancerx.jp/summit/wcw2021/
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