北海道上川町と株式会社ニューズピックス(NewsPicks)が新しい関係人口の創出やNewsPicksの会員コミュニティを活用し、地域課題解決を目標とした包括連携協定を締結しました。経済ニュースを主に扱うNewsPicksと北海道のマチ。どんな展開になるのでしょうか?
すでに上川町はColumbiaを始め、様々な業種の企業と連携を進めています。
Discover大雪#1
https://sodane.hokkaido.jp/column/202107042000001108.html
この町で暮らしていく・・・心豊かな生活とは?
今回の連携協定に関して、上川町 佐藤芳治町長は
『小さな町をみんなで心豊かに感じる、活気あるものにしてこの町で暮らしていこうと思ってもらえる街を作っていこうと思っている。企業などとのつながりができているので今後、どういう形になっていくかわかりませんがすすめていきたい。諦めたり、これでいいや、とそこでとどまると後退が始まる、小さなことでも挑戦していくというのが必要。それが街づくりだと思っている。(今回の連携は)時代を考えたら可能性はあるな、とワクワク感でいっぱい。』
株式会社ニューズピックス 代表取締役 CoーCEO 稲垣裕介さんは
『NewsPicksは経済情報で世界を変える、としてきた。アプリ、ITとして東京近郊では一定程度広がってきている。今後は地域経済に入って行って、地域に根付くものをと考えている。こういった形の連携協定は礎なのではないか。日本のいい事例になればと思っている。越境してできるつながりを生む、そういった支援ができたらと思っている。』と話しています。
この協定に先駆けてトークセッションも行われました。
佐藤町長『真似はしたくない。どこの町もその町の特性、優れている点を活かした街づくりが大事。上川町は小さな町だけど誇りがある。』
上川町には層雲峡温泉があります、でもそこだけでは生きていけない。さらなる価値が必要。そして、人々のニーズの変化に気づかされたといいます。この価値をどう維持するか、その価値をさらにあげるための新しい取り組みが必要と話します。
上川町には北海道出身の名シェフ、三国さんがプロデュースするレストランがあります。
フラテッロ・ディ・ミクニ
https://fratello-di-mikuni.com/
せっかくの価値がある場所なので、安売りをしたくない、とトップシェフである三国シェフにお願いしたと明かしました。
地域の課題は人口減少・自治体存続できない・・・課題は?
佐藤町長『このままでは役所型、という壁を打ち破れないでいる自治体が多く、なかなかうまくいかない。いろいろ連携してそのあとどうなるの?と言われるが人とのつながり、企業とのつながりが街を変えていくと思っている。』
この”この後どうなるの?”との問いには”そんなことわからない”、と答えているそうです。
黙って足を止めたら、逆にその後の衰退する姿の想像がつく。まずはその可能性に挑戦したい、と話しています。
実は町の職員が東京の出版やデザインをしている企業に出向に出ています。(上川町 産業経済課 移住定住グループ 三谷航平さん:写真 左)東京事務所も兼ねた活動が様々なつながりを生んでいます。
越境人材の発掘に力を入れ、町おこしの協力隊、大学のインターンシップ、ビジネスをするために移り住んだ13社を支援・・・
若い世代に働きかけ、街のデザイン性、テーマ性を持たせることも大事に上川に『つながり』生む活動を続けているそうです。
上川町にはグローバル人材を育成する学校の開校も予定され、アウトドアブランドのコロンビアや、TSIというアパレルなどとも連携を結び、それぞれ成果を上げ始めています。
佐藤町長『住んでいること、この場所の豊かさを実感し、希望が持てないと住民も安心できないのではないか。それを常に職員に話すことで意識が変わってきた。素晴らしい職員ばかり。』と誇ります。
大雪山国定公園とのつながりで原点に立ち返って、このマチをどうしていくか。
佐藤町長『”通年型”の北の山岳リゾートタウンを目指している。参考は国外でスイスのツェルマットをイメージしている。ガソリン車が入れないし、街に、ホテルの前に赤い花が咲いている。おもてなしをしていて参考にすべき街と思っている。近づきたいといっています。』
上川町の豊かさとは?
佐藤町長『経済ではない、経済中心ではない。本当の豊かさは経済からくるわけではないと思っている。人口は減るよ、日本全体がそう。どうにもならない状態。』
そこに暮らしている人が豊かさを実感できるか。日常の暮らしでどう豊かさを実感できるのか・・・。歴史や文化は違っても参考にすべきものがあるとアイヌ民族の話に触れました。
『”自然とどう向き合うのか、人間も自然のひとつである。余計なものはとらない、必要なものだけ受け取る。”としているアイヌにも学びたい、原点にすべき生き方ではと思う。』
そして・・・
『コンパクトシティというのは実は反対なんです。本当に人の幸せなのか?管理する側の都合ではないのか?人が暮らすのは利便性だけではないと思っている。
福祉の仕事をしていたときに町の人に除雪の手伝いをしながら、不便だろうから町営住宅も空いているので引っ越したらと話したら、農地も今の暮らしも大事と言われたのです。そこでの暮らしに価値観を求めている人もいる。多様性が大事だと思う。』
移住はもちろん、Uターンで戻ってきている人が多いという、上川町。
ローカルの持続可能なライフスタイルを目指して・・・
行政含めた中から外から、境目のない越境人材・オープンマインドが、つながりがつながりを生み続け、その心地よい連鎖が上川町の進化の秘密なのかもしれません。
上川町×コロンビア Discover大雪
(HTB・北海道テレビで毎週木曜日放送中)
sodane #2
https://sodane.hokkaido.jp/column/202108142100001271.html
※番組では上川町の魅力あふれる方々をご紹介しています。