サウナーが夢のサウナ郷を創造! 北海道のサウナ野郎パンダ・リー「ととのう道場」[101]島根VALS計画
2022.01.28
#サウナ理想のサウナを妄想しよう!
祝「日本サウナ大学」開講、あ~んど「ととのう道場」100回突破記念企画!
日本サウナ学会代表理事で日本サウナ大学学長に就任した「加藤容祟ドクターのサウナトーク」の後篇っす。
☆2月開講!『日本サウナ大学』HP https://www.ppp-ps.net/sauna
今回は…加藤サウナドクターが主催するサウナコミュニティ『VALS計画』の話っす。
「地元にサウナを作りたい!」。その一心で集まった地元のサウナコミュニティのメンバーが、実際に理想のサウナを自ら事業化して運営!
第一弾は島根県のユネスコ世界遺産にある温泉街でまもなく具現化!
理想のサウナを妄想、からの世界一のサウナづくりを目指す「VALS計画」とは?
パンダ・リーっす。
☆前篇『夢のサウナを全国に!日本サウナ大学2月開講!サウナの土壌整備とは?』はこちらっ!
https://sodane.hokkaido.jp/column/202201170630001734.html
「VALS計画」
加藤ドクターは去年3月「日本に世界一のサウナをつくる」をテーマにLINEをベースにした有料オンラインコミュニティ『ヴァルス計画』を立ち上げたっす。名前の由来はスイスにあるスパを目当てに世界から観光客らが訪れるという『Therme Vals(テルメバルス)』。日本の恵まれた自然と文化をサウナと掛け合わせた前代未聞のサウナを各地で実現するため。「サウナのコミュニティづくり」を全国津々浦々で粛々と進めていらっしゃいやす。
☆『ヴァルス計画』HPはこちらっ!
サウナコミュニティ・VALSの挑戦とは?
(インタビュー&文責:パンダ・リー。聞き手:十勝サウナ協議会会長・ガーデンズグループ後藤陽介社長、十勝地サイダー研究会副会長ザクおじ)
―サウナ運営の基本を専門家が教えてくれる『日本サウナ大学』。開講のきっかけになった「VALS計画」。今どんな感じで進んでるんすか?
「今つくってるのは島根県と京都に一個ずつつくってて。もう一つは四国につくっているところですね。京都は京丹後といって北のほうですね。ザ京都じゃなくて。
おもしろいっすよ。島根のVALSも『温泉津』と書いて『ゆのつ』って読むんですけど。県の真ん中らへんなんですよ、有名な出雲大社とか宍道湖(しんじこ)とかは『東部』。『西部』ってもう誰も知らないっすよ。島根県ですらみんな知らないのに。西部*って知ってます?」
*有名な出雲大社、松江城、足立美術館がある鳥取県側・京阪神に通じる「島根東部」。世界遺産・石見(いわみ)銀山、温泉津温泉のある山口県側・九州に通じる「島根西部」。そして「隠岐諸島」。島根は大きく3つのエリアに分かれるざんす。
―出雲には行きたいっす!
加藤「(出雲)大社は行くじゃないっすか。有名なものはほぼ(島根県)東部。でも(島根西部には)めちゃくちゃ豊かな文化があって!すげぇきれいな川とか。『石州瓦(せきしゅうがわら)』とか、日本三大瓦の一つなんすけど瓦があったりと。あと『石見神楽(いわみがくら)』っていって舞があるんですよ。『石見銀山(いわみぎんざん)』の石見があるんすよ。世界遺産」
(ド迫力っ!石見雅楽 『なつかしの国 石見』HPから)
VALS計画第一弾は「島根」で!
―豊かな感じっすね!
加藤「そうですそうです。実は棚田文化があって。棚田の面積が一番大きいのは実は島根なんですよね」
(『なつかしの国 石見』HPから)
一同「お~~~~!」
加藤「保護されてるんです。棚田っていうのが」
後藤「めちゃくちゃきれいですよね!」
加藤「でもサウナがほとんどないんすよ…」
世界遺産♨「温泉津(ゆのつ)」
―サウナがほとんどない?
加藤「ないの。『温泉津(ゆのつ)温泉』って東部と西部の間ぐらいにあって。(石見)銀山の近くなんですけど。古い歴史ある温泉街で。『石見銀山』って世界遺産になったときにめちゃくちゃ話題になって。たくさん人がいったんですけど。大昔からある歴史的な温泉地なんで保護区で建物が保護されている。
(源泉46℃かけ流し!温泉津温泉・薬師湯 『なつかしの国 石見』HPから)
だから現代に即したリフォームがやりづらい街で。キラキラの新しい建物とか建てられないし。そしてコロナ禍も加わって観光客が減ってきてるですよ」
後藤「めっちゃ可愛そうじゃないっすか!」
加藤「保護されてるから拡張することができなくて」
後藤「ちゃんとしてあげればいいのに…」
加藤「でも、昔の遊郭とか。温泉街で木の柵があって遊女が顔をだして誘うみたいな。木の面白いつくりで。石畳で温泉の匂いがしてね。街並みや雰囲気がめちゃくちゃいいんですよ。この素晴らしいところを生かしつつなんとかしたいなと思って」
(『なつかしの国 石見』HPから)
島根の「サウナコミュニティ」がアツい!
―温泉があってサウナはない!
加藤「んで。島根の人はサウナ好きの人がコミュニティで。『島根でぜひ(サウナを)やりたい』という人がいて。その人が核になって。地元の有力者とかを呼んでくれて。(理想のサウナを)妄想する会をしたんすよ。大変申し訳ないんすけど、島根のこと何も知らなくて。宍道湖と出雲大社をのぞいたらほんとに知らなくて。そこでごめんなさい、ほんとに教えてくださいとお願いしました。みんなで島根の良いところを語る会を催したんですけど。やっぱめちゃくちゃいいのがたくさんあって。『石見神楽』や『石州瓦』とか」
「石州瓦」をサウナストーンに!
加藤「サウナストーンの部分あるじゃないっすか。サウナストーンって天然の『カンラン石』を使っているんですが。天然資源を使い捨てしているのでSDG'S的にも良くありませんし。セラミックのものは高額だし。あまり進化してないサウナストーンの部分をカスタムできないかなと思って」
―かんらんせき?
加藤「むずかしい『橄欖石』って書くんですけど。(サウナストーンには)あれしか使えないんすよ。実は。変なものを使うと爆ぜたりとか欠けたりとかして危ないんで使えないんですけど。フィンランドでは全部試験をしていて。表面に壊れないようなコーティングをして売っているんですよね、実は」
一同「へ~~~!」
加藤「有害なものが出ないように。アスベストとか出てしまうんで。そのぐらいちゃんとしてるんですけど」
後藤「結構高いんすよね」
(ガーデンズグループ後藤陽介社長)
加藤「高いですね〜。でも原理的には『蓄熱放熱してロウリュできればいいんでしょ』と思ってたところにたまたま『石州瓦』を教えて貰いました。日本三大瓦のうちの一つなんですけど。凄い特色があって。ほかの瓦っていうのはわざとカチカチに焼かずに。日本の高温多湿な環境に適応するために水がちょっと沁みて温度調節できるようにわざとつくってるんですよね。瓦って。なんだけど『石州瓦』は雪国だからガチガチに固めて。雪がしみこまないようにかなり重厚につくるんですけど。
で『瓦そば』ってその上で焼くんですけど。叩くと金属音がするんですよ。キンキンキン♪って。で、その焼く温度が。なんと…フィンランドのストーンの試験で焼く温度と一緒なんすよ!」
一同「ハハハハハ(笑)」
加藤「1300℃なんですよ。それ確実に使えるじゃないですか。だってフィンランドのサウナストーンの試験する温度で焼き締めた瓦なんで、使えないわけがないんすよ。しかももっと聞いてみたら『鬼師』っているんすよ。鬼瓦をつくる職人のことでアーティストなんすよ」
(『KAMEDANI』HPから)
ザクおじ「ザク*のサウナストーンもつくれる?」
加藤「実はストーブごと自由に開発できるから。ザクの頭がはまる形のストーブをつくってもらって。頭をはめてもらえばいいんじゃないすか(笑)自由につくれるんすよ」
*ガンダムシリーズに登場する「モビルスーツ」
(『ザク』のサウナストーンを妄想中の十勝地サイダー研究会ザクおじ〔左〕と加藤容祟サウナドクター〔右〕)
『石州瓦』はあの世界的ホテルにも!
加藤「瓦って日本の建築様式の変化によって衰退してるんですよ。今の家って軽い素材が好まれるからどんどん使われなくなってるんですよ。めちゃくちゃ良いものなのに現代のニーズと合ってないという理由で減ってきている。実は某超有名ホテルのタイルを石州瓦で作ってるんですよ。サウナを通じてみんなが知らなかった価値を伝えて。再接続させると本当に価値があるものが再び輝くと思うんです。『なにこのサウナストーン?やばいね!』ってなる。ロウリュって直接サウナストーンを見るじゃないすか?魅力をアピールするのに最適なんですよね」
(デザインも多彩!石州瓦 『KAMEDANI』HPから)
☆創業1806年『KAMEDANI』HP http://www.kamedani.com/
ザクおじ「ザクのサウナストーンも瓦でつくれますね♪」
加藤「すごく目立つし、そもそも文化的価値があるじゃないですか。歴史もめちゃくちゃありますから。実は『石州瓦』って水甕(みずがめ)なんすよ。でかい水をためる甕。なんで…水風呂ができるんですよ(笑)。
一同「おもしろい!」
加藤「ちょうど1月17日からクラファンを始めたところなんです(1月26日現在120%達成)。ヴァルス計画に端を発して、なんと島根の地元のヴァルスクルーが会社を作り、温泉街の物件を購入して、所有する山から木を切って製材して自分達で理想のサウナを作っています」
(サ室が二階建て‼超自由な発想~ ©島根VALS)
加藤「サウナストーブも地元のストーブ業社と一緒に開発して、サウナ設計や施工も自分達で。サウナストーンも作っちゃって・・・。本当に全部地元産。やばいでしょ!?ここまで何と9か月でやっちゃってます!」
「サウナ×地方創生」
加藤「サウナがどういう社会的な機能があって。どういう活かし方をするかっていうのが次のフェイズのサウナの方向性だと思ってて。僕は『地方創生』ってすごくはまると思っていて。
観光、ってね。そもそもグルグル観光バスとかで回って。あわただしく回って。行って移動、行って移動。疲れてホテルで。その地方っぽいものを食べて。温泉に入って寝るみたいな。それって本当に地方創生につながるのだろうか。ほんとにその地方の魅力をわかってもらえているのだろうかと。むしろゆっくり味わって。ほんとにいいものに気づいてもらって。『ほんとにいいところだね。また来たいね』っていうファンを一人でも多くつくることが真の地方創生だと思ってて。
サウナって。強制的にゆっくりするじゃないですか。絶対。1時間2時間ゆっくりして。なんなら出てきたところに生ビールとかおいてあったら。飲んでしまって泊まってしまうじゃないすか(笑)。いいコンディションでゆっくりするって場所なので。じゃぁそこにみんなが発信したいと思っているその地方の本当に価値のあるものを再接続してあげたらと。さっきの地サイダー*みたいに。サウナ後に飲んだらめっちゃうまいじゃないですか。サウナ中、あるいはサウナ前後にその地方の価値みたいなものをどんどん接続していくと、ファンも増えて本当の地方創生にどんどんつながっていくんじゃないんだろうかと思っていて」
*インタビューは「十勝地サイダー研究会×十勝サウナ協議会」サウナー専用地サイダーの試飲会のあと行ったっす。
【サNEWS】島根の世界遺産♨にサウナ『時津風』が春開業!
加藤ドクターが知恵や知見を提供して応援するサウナーのコミュニティ『島根VALS』。そこでサウナが縁で出会った「ヴァルスクルー」が。なんと自分たちで会社を設立!今まさに、夢見たサウナをつくっているそうっす‼しかもこの春開業決定‼動きが超速w
プロジェクトメンバーは『合同会社 里山インストール』のこのお三方!
(〔左から〕「布施さん」「小林代表」「戸倉さん」 クラファンHPから)
夢の舞台は…ユネスコ世界遺産にある日本唯一の温泉郷『島根・温泉津温泉』。そこに「サウナのある複合施設『時津風』」が登場っす‼グランドオープンは22年4月16日(土)。
そのクラウドファンディング『島根・温泉津 ユネスコ世界遺産にサウナつくることになった件。』は、当初目標額100万円をページ公開9日目で達成。現在さらなる高い目標「ストレッチゴール」を設けて。2月28日の終了まであくなき挑戦を続けているざんす。そのクラファンページには。気になるサウナの全貌が紹介されていやす。
読んでて、ととのった!(笑) サウナ愛、ハンパない‼なかでもプロジェクト結成までの話は、むちゃくちゃ夢があるざんす。サウナがつなぐサウナーの縁、いいっすよね~。
で、「サウナのある複合施設『時津風』」の運営母体は『WATOWA』。運営を『合同会社 里山インストール』が行いやす。小林新也代表に伺ったところ、「凄まじい時間とコストと労力を費やしました」ということざんす!熱い!がぜん期待が高まりやすねぇ~。
(ここにサウナを⁈©島根VALS)
加藤ドクターの話を聞いてたら島根は「歴史の缶詰」!からの、そこに地元島根のサウナーの夢を形にしたサウナができるとなったら…もう絶対イキタイ!サ旅で島根、サイコウっす!鳥取サ旅で立ち寄った『足立美術館』も超絶よかったもんなぁ~♪ということでパンダ・リー、微力ながら「【サウチケ】一回お試しサウナ」のリターンの3700円コースをポチっと応援しやした(笑)
サウナ愛と島根愛が熱く綴られたこちらのサウナトークを、ぜひっ!
☆『ただのサウナ好きだった私が世界遺産にサウナをつくることになった件。』クラウドファンディングHP
https://motion-gallery.net/projects/sauna-tokitsukaze
(©島根VALS)