幕別を落語の街へ!
北海道「幕別町」
パークゴルフ発祥の地とナウマン象の化石で知られる北海道十勝の「幕別町」。
スピードスケートの高木姉妹を育んだ、畑作・酪農など農業が盛んな町です。
(「HTBニュース」から)
9月「まくべつ格別落語まつり」開催!
そんな幕別で2日間、落語のイベントが行われます。「まくべつ格別落語まつり」。日程は9月15日(日)16日(月祝)の2日間。会場は幕別町百年記念ホールです。
内容は全国のアマチュア落語家が自慢の話芸を競う「アマチュア蝦夷落語大会」の予選と本選。
地元の子供が主役の落語鑑賞会と発表会。そして東西の真打が十八番の話芸で競演「東西落語名人会」です。
大人も落語に熱中!
「まくべつ格別落語まつり」は3年目
幕別の総合型生涯学習施設「幕別町百年記念ホール」では、情操教育の一環として子供落語教室「百年亭」を7年前の2018年にスタート。その様子はSODANEで以前ご紹介しました。
「子供にも落語を!北海道十勝幕別町『子供落語教室・百年亭』の挑戦」:
https://sodane.hokkaido.jp/column/202406140700004513.html
子供たちから始まった落語の輪は、保護者ら大人にも拡がります。2020年、大人落語教室「今万(ナウマン)亭」が誕生。2022年には文化庁や(一社)地域創造の助成で、落語文化の普及事業「まくべつ格別落語まつり」を3カ年事業としてスタート。落語教室、生徒による発表大会、プロ落語家による落語鑑賞会の3つを柱に落語に取り組んでいます。発表大会は十勝管内、全道、今年は全国と、参加者の幅と規模を徐々に拡げてきました。
大人落語教室「今万(ナウマン)亭」
この「まくべつ格別落語まつり」の晴れ舞台を目指して、猛特訓しているアマチュア落語家さんがいます。
大人落語教室「今万(ナウマン)亭」の生徒さんたちです。授業は日曜日の午後に月2回。講師は子供落語教室も受け持つ札幌在住の落語家「笑生十八番(ショウセイオハコ)」さん。
その稽古を覗いてきました。
演目は上方落語の名作「動物園」。仕事が長続きしない男が求人募集で動物園へ。日給3万、朝10時から午後4時終わりの好待遇な仕事の中身は「虎の皮を着て虎のふりをする」仕事!?演じるのは「八尾家朝吉(ヤオヤアサキチ)」さんです。
係員「虎はコツがありましてな。右に行くときは左の肩を。左行くときは右の肩を出す。よろしいか?コツがありましてな。右に行くときは…イチ、ニイ、サン。イチ、ニイ、サン。イチ、ニイ、サン。どうです?」
男「うまいなぁ、あんたそれ!」
人が虎のフリをするくだりの演技はお見事!あるわけない、荒唐無稽なお話を、実にリアルに魅せてくれました。
指導にあたる笑生十八番先生からも「言葉の強弱がちゃんとできている。笑わせる言葉を強めに強めに出ていていい」と高評価でした。
普段は学校教員の朝吉さん。落語との出逢いは仕事のストレスで元気がなかった数年前。落語のおかげで元気になったと、以来日曜日に月2回開かれる落語教室は欠かさず出席。車の移動中など空き時間には必ず落語をそらんじる毎日だそうです。
発表会
7月28日、日頃の稽古の成果をお客さんに披露する発表会がありました。
子供落語教室との合同で、16人が3時間たっぷり落語漬けの一日を過ごします。
八尾家朝吉さんは仲入りに登場。着物を着こんだ佇まいはもうプロの噺家!
動物園、見事に演じ切って会場を笑わせてくれました。
八尾家朝吉さん:
「いやぁ、ちょっと緊張してぇ。乗り切れてないというか。9月(まくべつ格別落語まつり)に向けてもうちょっと磨きをかけたいと思いますんで。なんとか予選を勝ち抜いて決勝に!大ホールでできるように頑張りたいと思います!」
発表会では他にも、昨年道内のアマチュア蝦夷落語大会の優勝者「道東ジョン太」さんが大人落語教室の主任(トリ)で登場。演目は艶笑落語「短命」。
植木職人の八五郎は、出入りしている乾物屋「伊勢屋」の一人娘の3人の婿養子が次々と死んでいくことに疑問を抱き、訳が知りたいと横丁のご隠居さんに相談します。
隠居「店のほうは番頭さん任せ。他に何もすることがない旦那と女将さんだぁ。おまんまをよそって亭主が受け取る…。指と指が触れるよ。閉め切った部屋は2人きりだ!ご馳走様と言って箸と茶碗をそこに置けば…」
八五郎「なにが…。えっ?」
隠居「わからないのか!お前は子供じゃないんだから。ねぇ…」
八五郎、ご隠居、伊勢屋の一人娘、八五郎の女房の4人を演じ分け、大人の艶話をコミカルに聴かせる名調子!名人の貫禄たっぷりです。
道東ジョン太さん:
「ちょっと子供の芸に圧倒されて。余計に緊張しましたけれども。一応着物も誂えたことなんで。今後も精進していきたいと思います」
「まくべつ格別落語まつり」は来月中旬!
朝吉さん、道東ジョン太さんも登場する「アマチュア蝦夷落語大会」。予選会は9月15日(日)。決勝戦は翌16日(月祝)の午前。
本選の司会にはHTB北海道テレビの落語家・南平亭恵朝(ナンピラテイメグッチョ)こと大野恵アナウンサーが務めます。
午後は『笑点』でもおなじみ春風亭昇太師匠や「探偵!ナイトスクープ」では探偵として活躍中、桂二葉師匠ら今が旬の東西落語界の名人6人が競演「東西落語名人会」は超豪華な顔ぶれでもうビックリ!
会場はいずれも幕別町百年記念ホールです。
☆詳しくは幕別町百年記念ホールHPか「まくべつ格別落語まつり」で検索!:https://m100.jp/