高齢化社会でひときわ重要性が高まっているのが「福祉」です。身近なものでありながらあまり知られていない福祉業界のお仕事について、現役職員から生の声を聞くトークイベント「福祉の”リアル”が聞けるセミナー2024」が札幌市内で開催されました。北海道内の9つの福祉法人から現役職員が集まり、福祉業界を目指す学生と本音トークが交わされました。
福祉の仕事は知識。資格ゼロからでも可能。「チーム支援」で利用者も働く人も幸せ。
若手職員から福祉業界に就いたきっかけや利用者が快適に過ごせるためのポイントなどを紹介。精肉店から知識・経験ゼロの福祉業界に転職し「今は天職だと思っている」という新篠津福祉会の高橋周利さんは「小さなころから施設のお祭りやボランティアに参加し自然と障がいを持った方への理解ができていたのだと思う」と話しました。
はるにれの里の加藤百萌花さんは「いろんな障がいや特性を持った利用者さんがいて課題解決にはチームの力が必要。職員は多様なキャリアを持っていて、それぞれの得意分野を生かしながら深みのある支援ができている。誰かひとりに負担がかかるのではなく役割分担しながらできるのもやりがい」とチーム支援の大切さと居心地の良い職場環境を紹介していました。
セミナーには将来福祉の世界で活躍を目指す学生も参加し、現役職員の皆さんに「職場でどんなことに気を付けて働いているか、やりがいは?」などの質問を投げかけました。
愛誠会の安達香澄さんは、利用者の立場になって考え、相手を尊重することが大切だと話し、信頼関係の重要さを呼びかけていました。
北ひろしま福祉会の小笠原大晃さんは、利用者との関係性を作ることが大切だと言います。仕事を始めてからの1~2年間は自分がどんな人かを知ってもらい、相手のことを知ることに注力してきたとのこと。「障がいがあってもなくても、人と人とのつながりでできている仕事なので、一所懸命に支援者が気持ちを伝えれば、利用者さんも応えてくれ、楽しい経験もでき、やりがいも感じることができた」と実体験を通した感想を話しました。
福祉業界への就職にあたり必要な知識などについて、生振の里の櫻井健太さんは、「知識は大事だが、働き出したらいろいろな経験をして身につくものなので、学生のうちに焦って習得しなくてもいい。気負わず楽しい気持ちで働き始めて良い」と福祉を目指す学生にエールを贈っていました。