福祉業界の仕事を赤裸々に語る。現場で働く職員が熱く福祉の仕事の魅力を紹介するセミナーが札幌で開催
2025.11.25
身近なものでありながら、実はあまり知られていない福祉業界のお仕事について、現役職員から生の声を聞くトークイベント「福祉の”リアル”が聞けるセミナー2025」がことしも札幌市内で開催されました。

老人福祉や障がい者の支援などを行う北海道内の9つの福祉法人が主催し、現役職員が福祉業界を目指す学生や来場者に向けて、福祉の仕事についての想いやエピソードを紹介しました。

聞き手として参加した北海道福祉・保育大学校の現役学生である別府凛さんと鳩樹さん。福祉の仕事を始めたきっかけや、中でも「やりがい」を感じるエピソードについて現役の先輩に質問を投げかけ、熱心に耳を傾けていた。

仁木町の銀山学園に地方公務員から転職したという藤原大貴さん。福祉の仕事は「ありがとう」という言葉をかけられたときに、やっていて良かったと感じる。立ち止まったり迷ったりする時もあるが、職員が原因を再度考える機会を与えてもらったと考え、利用者をもう一度よく見て、チームで話し合う。支援がしっかりとできた時はたまらない達成感を感じる。福祉業界を目指す学生には実際に職場に来て体験すると良いとアドバイスしていた。

生振の里の市川綾子さんは、利用者と楽しい、幸せな時間を一緒に過ごすことが福祉の仕事の魅力で、利用者の笑顔を見るとこの仕事を選んで本当に良かった。利用者の立場になって考えること、尊重することが大切。仕事の上ではどんな小さなことでも報連相が重要だとアドバイスしていた。

千歳いずみ学園の武田連さんは、避難訓練の時のエピソードを紹介。サイレンが鳴ると入所の利用者が迎えに来てくれるのを待っていて、手をつなぎながら、ニコニコと笑顔を見せともに避難したことがあった。利用者の立場に立ち、寄り添っていくことが大切だと力説した。

母が福祉関連の仕事をしていたことや、人と関わる仕事がしたいという想いもあり福祉の仕事についたという札幌報恩学園の熊野晴菜さん。これから福祉分野を目指す人へ、辛いことや嬉しいこと、楽しいことがたくさんあるが、特に失敗した時にただ落ち込んでいるのではなく、自分が何ができるのかを考えることこそが未来の自分につながるとアドバイスしていた。

はるにれの里グループホームうたたねの古川桃音さんは、福祉業界を目指す学生へ、学生のうちは学生にしかできないことをしておくべき。趣味や遊びも社会に出た時に役に立つときがやってくる。また利用者を取り巻く社会環境を学んでおくと良く、例として障がいを持った人について描かれたテレビのドラマが勉強になったとアドバイスしていました。

昨年のセミナーではパネリストとして参加していた司会の二人。精肉店から福祉業界に転職した新しのつ幸生園の高橋周利さんは働きながらやりがいを見つけ、今や「天職だ」と感じているという。ほべつ誠光の安達香澄さんは、福祉の仕事は思いがあれば、誰でもできてやりがいを感じられる仕事であると話していました。
セミナー後は福祉の仕事に関心を持った学生や市民がパネリストの職員を囲んで交流会をを行ったほか、主催した各法人による産品の売店も並び、訪れた市民も楽しんでいました。
