「秋刀魚が消えた サンマのまち」② ~不漁も人気商品生まれる~  

<28日放送>「秋刀魚が消えた サンマのまち」~不漁も人気商品生まれる~

 12月28日(月)放送のHTBノンフィクション「秋刀魚が消えた サンマのまち」。秋刀魚は今年、過去最低の不漁を記録しました。日本の国民食である秋刀魚はどうなってしまうのでしょうか。 
秋刀魚が揚がらないと、地域経済にも大きな影響を与えます。秋刀魚を入れる魚箱を作る会社では、代わりにある家庭用品を開発し人気を集めています。

https://www.htb.co.jp/hn/log/2020/12281114/

逆転の発想

 根室市のヨシザワ木材は水産会社が秋刀魚やサケなどを入れる「魚箱」を製造しています。しかし、今年も秋刀魚は深刻な不漁で、水揚げ量は過去最低だった去年のわずか半分でした。ヨシザワ木材ではおととし18万箱出荷していた秋刀魚の魚箱が、今年は1万5000箱ほどに。わずか2年で9割も減りました。𠮷澤志老常務は「会社の根底を揺るがすような状態」と話します。
 不漁の影響で年々魚箱の売上が減るなか、この会社がひらめいたのが魚箱にそっくりなティッシュケースです。魚箱風のフォントやイラストがかわいらしいと大人気です。
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意外な活用法でSNS映え

 このティッシュケースの意外な活用をしている店を見つけました。根室市内の居酒屋で、店自慢の秋刀魚の刺身の盛り合わせに、魚箱のティッシュケースが皿として使われていました。旬魚旬彩 苑庭の遠藤俊介さんは「根室のサンマを盛り上げたい。インスタとかに面白くて載せてくれる人もいる」と話しています。
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予想外の売り上げ

 このティッシュケースはヨシザワ木材にとって初の家庭用商品。やすりで丁寧に仕上げます。売り上げ目標は100個でしたが、インターネットで全国に広まり、すでに2100個以上も売れています。𠮷澤克弘社長は「海から揚がったもので商売していたので、魚が揚がらないとなれば将来的には廃業になるかもしれない。ティッシュケースが少し明るい光」と話していました。
 魚箱風ティッシュケースは全部で5種類。秋刀魚のほかにサケや花咲ガニのデザインもあります。根室の道の駅などで1箱1650円で販売されているほか、インターネット通販でも買うことができます。

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「秋刀魚が消えた サンマのまち」
 28日午後4時10分から放送のHTBノンフィクション「秋刀魚が消えた サンマのまち」では、(北海道内のみ放送)このヨシザワ木材が描くサンマのまちの未来にも焦点を当てています。𠮷澤常務は魚箱を水産会社に配送する時、楽しみがありました。しかし秋刀魚の不漁でそれも無くなり…。根室市民の日常にも大きな変化がありました。

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この記事を書いたのは

HTB報道部記者・佐藤裕樹

佐藤裕樹
HTB報道部記者。
釧路駐在(2018年11月~2020年12月)。
HTBノンフィクション『秋刀魚が消えた サンマのまち』
https://www.htb.co.jp/hn/log/2020/12281114/

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