真つぶを守れ!続く研究

エゾボラの資源確保へ【えりも】

北海道・えりも町とえりも漁協で構成するえりも町栽培漁業振興協議会は、道立総合研究機構・栽培水産試験場、北大大学院水産科学研究院との共同で、えりも海域でのエゾボラ(まつぶ)資源維持のための種苗生産研究を進めています。

 エゾボラは、つぶ貝の中でもアワビに匹敵する最高級の貝であり、えりも海域は道内で最も漁獲量が多い貝。しかし近年、その漁獲量が減少傾向にあることから、研究機関との共同研究でその生態を究明して、エゾボラの種苗生産に繋げようとするものです。

 栽培水試が調査した2007年(平成19年)から19年までのえりも海域でのエゾボラ漁獲量は、600㌧から200㌧未満まで急減。漁獲金額は07年の6億円前後から20年には2・5億円まで減少しています。

 町栽培協では、道栽培漁業えりもセンター(所長・武田健大郎町産業振興課長)の施設を活用して、えりも漁協つぶ部会から提供されたエゾボラの成貝を海中での生育水深100㍍の擬似状態に保ち、つぶ篭漁業者の協力で測定した生息水温データを基礎に、飼育水槽を暗黒にして個体に番号を付し、水温をヒーターやクーラーで調整しながら雑魚を餌に飼育し、受精から産卵までの生態を観察して北大水産科学研究院へ提供して共同研究中。

 えりもセンターで生態研究に従事の町産業振興課、芳賀恒介専門技師は「オスを多く受け入れたメス貝の産卵確率が高い。秋に受精して冬に産卵し、1年を経過して稚貝になる。どのタイミングで放流が適当か、成貝として漁獲対象になるまでの年数など究明する」と話しています。


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エゾボラ種苗の生産研究=えりもセンター=

日高報知新聞

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SODANE編集部

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