北海道内の「再生可能エネルギー」事情が大きく変わるかもしれません。
「電力を作っても大量に送れない」という問題を解消する施設がことし4月に道北に完成します。
国内有数の「風力発電の適地」も…「電気が送れない?」
■鈴木麻友記者:
「ビュンビュンと風を切る音が聞こえています。こちらの風車高さ80メートルもあります。」
道北地方のあちこちで見かける大きな風車。
実は道北は地形や気圧配置の影響で風の強さに恵まれ国内有数の風力発電の適地とされていますが。
■北海道北部風力送電吉村代表:
「送電線網が脆弱で新たな導入が足踏み状態で10年以上前から関係者の中で課題になっていました。」
道北は電気を送る線いわゆる「送電線」が細く新しい発電所を作っても他の地域に電気を送れないという課題がありました。
日本初の送電線に「ぶっちぎりで最大の」蓄電池も…北海道電力と発電大手などが共同で会社を設立し取り組みを強化
鈴木記者・日本初の風力発電専用の送電線前でのレポート(豊富町)
■鈴木麻友記者:
「豊富町では日本初の風力発電専用の送電線が4月から稼働します。」
設置したのは風力発電国内最大手のユーラスエナジーホールディングスや北海道電力などが設立した「北海道北部風力送電」です。
今回整備された送電線は稚内市から中川町までおよそ80キロ。送電線の整備に伴って周辺には、9か所の風力発電所が建設される予定です。完成すると年間およそ35万世帯の電力を賄えるようになり札幌を含む道内全域に電気が届くようになります。
稚内市~中川町に約80キロの送電線新設
また、天候によって発電量が左右される問題を解消すべく巨大な蓄電池システムも豊富町に作りました。
■北海道北部風力送電吉村知己代表:
「スマホに入っている蓄電池と同じリチウムイオン電池なんですけど、日本で言うとぶっちぎりで最大の蓄電池です。」
およそ1050億円かけて作られた送電線や蓄電池システムですが国からの補助金は400億円強で残りは会社が費用を負担したと話します。
巨大な蓄電池で風力発電の「不安定性」をカバー
■北海道北部風力送電吉村知己代表:
「風力発電事業者はこの地域は風力のポテンシャルがすごくある地域だと送電線を敷設する費用がかかっても何とか事業ができるはずと自信を持っていた/誰が資金負担するのかはこれから色々考えていかなくてはいけないと思う。」
温室効果ガスを出さずに電力を生み出す「風力発電」。2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボン北海道」の取り組みにも大きな意味をもたらしそうです。
HTBは2022年から「サステナ宣言」をしています。
HTBサステナ宣言として、持続可能な社会をつくるための開発目標「SDGs」の情報を発信しています。
「サステナブル」=持続可能な地球、社会の実現のために定められた17の目標のうち今回は、7番「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」、13番の「気候変動に具体的対策を」など4つの目標についてお伝えしました。