子どもの頃からのおなじみのお菓子や…
人気アニメのパッケージになって生まれ変わったお菓子。
そして、よく遊んだおもちゃなども…
さまざまなお菓子やおもちゃがずらりと並ぶ店内。
子ども達ならもちろん、おとなでも何時間でもいられそうなこの空間です。
札幌市東区にある「東京屋」…1936年創業の玩具・駄菓子・縁日用品・花火の卸問屋です。
夏祭りシーズンとなると、大勢の業者や団体が駄菓子などを求めてやってきます。店員さんは連日、大忙しです。
駄菓子のトレンド 変わるものと変わらないもの
東京屋で扱う駄菓子・玩具約4000種のうち、菓子は800~1000前後。駄菓子のほとんどが本州や九州のメーカーで製造されたものです。社長の河野元幸さんによりますと、子どもたちだけでなく、おとなたちが買い求めるケースも増えています。コロナ禍ですっかりスタンダードとなった「家飲み」のおつまみとして購入していくんだそう。
そしてこちらはいま子どもたちに人気急上昇な「どうぶつマシュマロ」。色あざやでかわいいですね!
一方、人気の商品のランキングは以前からそれほど変動はないと言います。
今年3月から6月までの期間での人気ランキングを教えてもらったところ…
第5位 ビッグカツ
第4位 ポテトフライ
第3位 ヤングドーナツ
第2位 蒲焼さん太郎
第1位 おやつカルパス
という結果になりました!おやつカルパスはおとなにも大人気なんだとか。
一方、明るい話題ばかりではありません。
メーカーも苦渋の選択 値上げされたおなじみのお菓子
最近では原材料費や包装資材費、物流費などの高騰で値上げする菓子も急増しています。特にこの国民的お菓子の値上げはニュースで知った人も多かったのではないでしょうか?2年前に値上げした「うまい棒」です。1本10円から12円にアップしました。
こちらもおなじみ「餅太郎」…茨城県のメーカーが作るこの菓子も、この6月に10円から15円に値上げしました。
「ごえんがあるよ」が「10円」に…
そして最安値といわれていたあの菓子も物価高騰の波に飲みこまれました。
1つ5円で売られていたチョコレート菓子「ごえんがあるよ」がついに「10円」に値上げしたのです。
そのほか多くの駄菓子がここ数年で値上げに踏み切らざるを得なくなったと言います。実際の価格の値上げのほか、内容量や「当たり」の数を減らす〝実質値上げ〟も含まれています。
値上げせずがんばる企業も…「子ども達のために」
一方、どんなに苦しくても値段を上げず頑張って生産を続ける会社もあります。
こちらの「ポーションゼリー」シリーズを見たことがあるという方も多いと思います。福岡の江口製菓が作る「サイダーボール」「グレープボール」「青りんごボール」は1つ10円。およそ50年間価格を変えていません。
江口製菓の担当者の方に取材したところ「原材料費などは上がっているが、製造にかかるコストを削るなどして10円を維持している」「創業者の『子ども向けの商品なので子どもがいっぱい買える値段にしたい』という意向を守って価格を据え置いている」と話していました。
駄菓子をいっぱい食べて応援してほしい
東京屋の社長・河野さんは「多くの駄菓子はもともと薄利で作っているため、1円くらいの値上げでは物価の高騰に追いつけない」とメーカーの苦渋の判断に理解を示します。
河野さんによりますと、駄菓子メーカーの多くは小規模の家族経営の会社も少なくなく、今回の物価高騰を機に、後継者不足で辞めていった人もいたということです。商品自体が安く、利益がわずかにしか出ない駄菓子を作り続けるには「たくさん売れる」ことが必要です。
これまでに多くの駄菓子メーカーが倒産し、もう食べられなくなった駄菓子も出てきています。
河野さんは駄菓子文化が今後も続いていくためにも「いっぱい食べて駄菓子を楽しんでほしい」と話しています。
今回取材した企業
東京屋
札幌市東区東区本町1条7丁目