開業1915年 1世紀以上愛されてきた帯広の老舗のCDショップ「浅原栄陽堂」 110年の歴史に幕
2025.01.25
1世紀以上帯広市民に愛されてきた老舗のCDショップが、惜しまれながら、25日に閉店します。
井元小雪記者)「演歌歌手直筆のサインが入ったポスター、CDもずらっとありますね。その中でもこちら、カセットですよ。このサイズ懐かしいですね」
演歌にJ-POP・クラシックまで。およそ3000点のCDやカセットなどが並ぶ「浅原栄陽堂」。
帯広の広小路商店街で1世紀以上営業を続けてきましたが25日に閉店します。
客)「このレシートも貴重になりますよね」。
吉田陽子さん)「そう言われれば、そうですね」。
客)「とっておこう」。
客)「なくなっちゃうと寂しいよね」
客)「もう一つ買っていこうかな」
吉田陽子さん)「(五木ひろしさんの)契り持っていく?」。
客)「うん、契り持っていく」。
店を切り盛りしてるのは吉田陽子さん(75)です。
吉田陽子さん)「生まれ育ったところですし親もその上もやっていましたし夫も仕事辞めてまでつないでくれた店なので(栄陽堂は)暮らしそのもの」。
「栄陽堂」ができたのは1915年。当時はレコードの他、本や文房具なども販売していました。
陽子さんは3代目社長の長女として誕生。名前は店名の「栄陽堂」から1文字とって名づけられました。
小学校の同級生だった克司さんと結婚し、1989年、克司さんが社長となり、店を継ぎました。
しかし去年の夏、その克司さんが体調を崩し入院。後継者もいないことから閉店を決意したといいます。
吉田陽子さん)「社長だけならいいけれど2人で(病気に)なっちゃうと本当に迷惑かけちゃうので私がまだ元気なうちに決心しました」
閉店を前に半額セールを行っている栄陽堂。別れを惜しむ常連客が次々と訪れています。
客)「ご挨拶に来ました。お世話になりました」
客)「私、カラオケを趣味でやっていて、カラオケ好きのみなさんが栄陽堂に来て探す。CDがラックに入っていて吉田社長が聞かせてくれる。これいいなみたいな」。
時には鼻歌だけで曲を探しに来る客もいたそうです。
吉田陽子さん)「(Q:どうやって探す?)クイズですよね。社長も詳しいし私も古いのわかるし、当たるとうれしいですよ」
帯広で長年愛されてきた栄陽堂は25日午後6時、110年の歴史に幕をおろします。
吉田陽子さん)「十勝の皆さんにすごくお世話になってつながってきたと思う。やめてからどっと寂しくなるのかな」。