「早く全貌が見たいものだ」12歳の少女に裸の写真を送信させた46歳の無職男 直接の対面コミュニケーションを避け SNSの世界で欲求を満たす
2025.11.04
罪を犯した人物が再び罪を犯す確率=再犯率が高い犯罪として、窃盗や薬物があげられるが、同様に再犯率が高いものでは「性犯罪」もある。
今回傍聴した裁判は、2023年7月に規定が変わった性犯罪=十六歳未満の者に対する面会要求等罪を問うものだった。16歳未満の者に対して会うことを求めたり、性的な画像を撮影して送るよう求めることを違法と定め、厳しく罰される。
前科2犯で執行猶予中に再び性犯罪を犯した男 小学生の女の子とSNSでやりとり
男は福岡県在住の46歳。紺のヨレヨレの作業着とベージュのこちらもヨレヨレのチノパン。黒縁メガネをかけ、髪の毛はぼさぼさだ。無職で生活保護を受給している。

男は2023年、当時小学校5年生だった被害少女AとSNSで知り合う。SNSのやりとりがAの親にみつかり、一時的に連絡しなくなるものの、今年に入り、ふたたび連絡しあうようになる。そして今年5月13日「裸を見せてほしい」とAに要求した
(LINEでは「早く全貌が見たいものだ」「とにかくAの全貌が見たいんだよ」などというメッセージを複数送る)
男は2023年に愛媛県で16歳未満の少女に対し性的行為をし、その様子を撮影したとして逮捕され有罪が確定。
今回の事件はその執行猶予期間中に起きた。
「リアルの対面が苦手でSNSに…」直接のコミュニケーションができない被告
弁護士:起訴されている内容はすべて認めますか?
被告:はい
弁護士:逮捕されてからいままで拘束されていましたが、この間、被害者や事件について考えたことはありますか?
被告:被害者に非常に申し訳なく思い、自分の性癖について治療やカウンセリングを受けて治したいと思います
弁護士:被害者が12歳だと認識していましたか?
被告:はい
弁護士:小さいときにこういう被害者になったら成長過程でどんな影響があると思いますか?
被告:精神的に悪影響を与えると思います
弁護士:積極的にやりとりしていたときはそれは思わなかった?
被告:はい 被害者の方も少し好意をもってくれていたので
弁護士:あなたには前科がありますね?
被告:はい
弁護士:どんな前科ですか?
被告:16歳未満の人と性的な行為をしました
弁護士:無理やりですか?
被告:同意の上です
弁護士:今回の事件は前回の事件の執行猶予中の犯行です。どういうことになるかわからなかった?
被告:軽率な思いで、考えられていなかった
弁護士:前回は性的行為と、それを撮影していた。今回は画像を送ってほしいと言っている。罪を軽く感じているのではないですか?
被告:もしかしたら犯罪になるかもしれないと思っていました
弁護士:今後、再販するかどうか、どう考えていますか?
被告:いろいろな努力をして人生をやり直したいと思っています
弁護士:具体的にはどんなことをしてやり直したいですか?
被告:カウンセリングを受けることや未成年に近づかないよう努力したいと思います
弁護士:幼児性愛に関するカウンセリングは受けたことはない?
被告:受けていません
弁護士:自分の性癖に向き合う決意はしているんですか?
被告:はい
弁護士:前回逮捕されて、刑務所に入って、そのあと出所したあとはどんな仕事をしていましたか?
被告:生活保護を受けて、あとはフリーターというか単発のバイトをしていました
弁護士:鳶(とび)のような仕事は?
被告:知人から紹介されて、鳶のような仕事をしていたんですが、給料をもらえず、いわれなき暴力を受けていました
弁護士:知人とはどこで知り合ったのですか?
被告:拘置所です
弁護士:犯行当時も精神的には不調でしたか?
被告:はい
弁護士:どんな影響を受けましたか?
被告:リアルの対面が苦手になって、SNSで話を聞いてくれる人を頼っていました。自分に関わってくれてうれしいという気持ちになりました

弁護士:被害者に取り返しのつかない被害を与えるかもしれないということを理解していますか?
被告:はい
弁護士:社会に戻ったとしたら何をしたいですか?
被告:カウンセリングを受けたいし、SNSから離れたいと思います
…………

被告「心のよりどころがSNSになっていました」検察官「相手が12歳じゃなくていいでしょ」
検察官:あなたは前回の事件に病院に行っていないんですか?
被告:性的なものに関することはしていないです
検察官:問題だとは思っていなかったんですか?
被告:思っていました
検察官:なぜ治療にいかなかったんですか?
被告:性癖がここまで悪化するとは思っていませんでした。前回も人生をやり直すつもりでいたのだけど、性癖をいうのが恥ずかしかった
検察官:鳶の仕事はどういう経緯で働くことになったのですか?
被告:拘置所で知り合った人の内縁の妻から紹介されました。「もうかるぞ」と言われていたのですが、何ももらえず暴力をふるわれました
検察官:あなたは前の事件以降、行動をどう改めていましたか?
被告:未成年に近づくことがないよう努力していました
検察官:なぜ今回こんなことをしてしまったの?
被告:心のよりどころがSNSになってしまいました
検察官:相手が12歳じゃなくてもいいでしょ!
被告:はい……でも趣味が同じだったので
検察官:性的欲求を満たしたかっただけじゃないですか!
被告:それだけじゃないです 安心できました
検察官:じゃああなんであんなメッセージを送ったんです?
被告:あれは軽い気持ちで
検察官:なぜいけないことなのかわかっていますか?
被告:本人やまわりに悪影響を与えるからです
検察官:心の傷になるかもしれない?わかっているの?
被告:……はい
………

被告人質問は終わり、今回は裁判官からの質問もなく求刑となった。
検察官は犯行は悪質で徹底的な更生が必要であり実刑にすべきだとして、懲役10か月を求め、弁護士は犯行は悪質であるものの、少女は男を「だんな」と呼び、進んで画像を送っていたなどとして、寛大な判決を求めた。
判決は1週間後に言い渡される
