今年だけで23頭駆除…クマ対策の切り札「ガバメントハンター」ってどんな人?北海道に実際にいた「ガバメントハンター」に取材
2025.11.07

クマ対策の切り札として期待される「ガバメントハンター」。聞きなじみのない名前ですが、一体どんな役割を果たすのでしょうか?

先月30日に行われたクマに関する関係閣僚会議。石原環境大臣の口からは聞きなれない言葉が。

石原環境大臣「ガバメントハンター等の人材育成の確保を…」
政府にクマに関する緊急提言を提出した野党からも。

国民民主党 村岡敏英衆院議員「ガバメントハンターという形もこれから取り入れていって…」。

「ガバメントハンター」とは?

実際にガバメントハンターとして働く職員が北海道の羅臼町にいました。

今年7月、羅臼町では国道でクマがシカを襲い、山の中に引きずりこむ様子が撮影されるなどクマの目撃が相次いでいます。

羅臼町役場で働く田澤道広さん66歳。狩猟免許を持ち、

自治体職員としてクマを含む鳥獣被害の対策も行う「ガバメントハンター」です。

田澤さん「やっぱり最終手段を自分で持っていないとなかなか対応に行き詰まる部分が多くて、それで必要性を感じて銃の所持許可と狩猟免許を同じ時にとった」

今年、羅臼町では23頭のクマを駆除しましたが、その半分近くは田澤さんによるものです。

田澤さんがガバメントハンターになったのは今から30年以上前のこと…クマの対応へのスピード感がメリットだといいます。

田澤さん「ハンターは別に本業がありますので、ハンターの必要があって何人かいるハンターに電話をしても」

「『今、羅臼にいない』とか『仕事中だから無理』という場合が多々あるんですが、そのハンターへの連絡の手間が省けるというのはある」

羅臼町役場は24時間体制で通報を受けており、依頼があった場合、田澤さんが出動。ガバメントハンターの活動に羅臼町や地元ハンターは…


羅臼町 湊屋町長「今年から緊急銃猟というものが始まりましたけども、私の責任においてしっかり(クマ被害に)対応していくということになりますから、(ガバメントハンターは)自治体の役割である町民の生命、財産を守るという上では非常に効果的に働いていると思っている」


羅臼町のハンター櫻井さん「撃っていいかの判断も役場職員で専門家でもあるわけなので法的な判断とかその場でできるわけですからそういう面でも素早く対応できるというメリットはとてもあると思います。住んでいる町民の方々にとってやっぱり最高の体制だと思います」

政府が今月中旬までにまとめる緊急のクマ対策パッケージにガバメントハンターの人材確保を盛り込んでいます。

ハンターが自治体職員になるパターンと職員が狩猟免許を取得するパターンが考えられますが…

田澤さん「新人ハンターであると銃を持ってすぐにクマを撃てるという状況にはならないですから、そういうところもネックになるのではないか」


「国や北海道が力を入れてくれるのであれば羅臼に限らず道内の市町村ガバメントハンターを導入しやすく、育てやすくする制度を作っていただけたら北海道全体が助かるのかなと」
