子どもの「なりたい職業」ランキング第4位「VTuber」の魅力と裏側の世界に潜入 札幌の専門学校も特別コースが!

「将来の夢は?」

この質問に、あなたは何と答えていただろうか。「野球選手」「お花屋さん」「ケーキ屋さん」…。時代によって子どもたちの憧れの職業は変化してきました。

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そして今、令和の子どもたちの間で、新たな職業が絶大な人気を集めています。

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その名も「VTuber」。

北海道の朝の情報番組「イチモニ!」は、現代の小中学生がなりたい職業として上位にランクインする「VTuber」とは一体何なのか、その魅力と、未来のVTuber業界を担う若者たちが集まる専門学校の裏側に迫ります。

時代を映す「なりたい職業」の今昔物語

ニフティが運営する子ども向けサイト「ニフティキッズ」が、小中学生2,313人を対象に行ったアンケート「なりたい職業ランキング」によると、驚きの結果が明らかになりました。

【小中学生に聞いた「なりたい職業」ベスト10】
学校の先生 (6.5%)
イラストレーター (5.8%)
歌手 (5.2%)
VTuber (4.6%)
げいのう人(はいゆう・女優・モデル)(4.3%)
YouTuber (3.5%)
医者 (3.5%)
アイドル (K-POP, J-POP) (3.5%)
ミュージシャン・音楽家 (3.4%)
保育園・幼稚園の先生 (3.2%)

1位は身近な存在である「学校の先生」。そして注目すべきは、4位に「VTuber」がランクインしていることです。

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これは、かつて子どもたちの憧れの的であった「アイドル」(8位)や「スポーツ選手」(18位、2.1%)を上回る順位です。

さらに、同じ動画配信者である「YouTuber」(6位)よりも人気が高いという結果は、現代の子どもたちの価値観の変化を象徴していると言えるでしょう。

そもそもVTuberって何?その魅力に迫る

では、子どもたちをこれほどまでに惹きつける「VTuber」とは、一体どのような存在なのでしょうか。

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VTuberとは「バーチャルユーチューバー」の略。2Dや3Dのアバター(キャラクター)を使い、YouTubeなどの動画配信サイトで活動する配信者のことを指します。ゲーム実況や雑談、歌ってみたなど、多岐にわたるジャンルの動画を配信。アバターというフィルターを通すことで、視聴者はより親しみを持ちやすく、今や子どもたちにとっても大きな影響力を持つ存在となっています。

VTuberになれる!?専門学校の最先端授業に潜入

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VTuber人気が高まる中、その業界を目指すための専門的な教育機関も登場しています。今回取材班が訪れたのは、札幌市中央区にある「札幌ミュージック&ダンス・放送専門学校」。

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この学校には、なんと「VTuberエンターテイメント本科」という、VTuber業界に特化した専門コースが設置されていました。広報の伊藤栞南さんにお話を伺いました。

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「VTuberエンターテイメント本科は去年新設された4年制の専攻になります。例えばゲーム配信をしたいVTuberさんだとゲーム配信の授業をとったり、歌いたい方はボーカルの授業をとったり、一人ひとりカリキュラムが異なる形になります」

ここでは、VTuberとして活躍するためのスキルはもちろん、動画編集や3Dアニメーション、モーションキャプチャーといった裏方の技術まで、幅広く学ぶことができるのです。

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取材当日は、VTuberのリアルな動きを生み出す「モーションキャプチャーシステム」に関する授業が行われていました。モーションキャプチャーとは、人の動きをデジタルデータとして記録・再現する技術のこと。

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学生たちは、演者の全身15か所にセンサーを取り付け、その動きを3Dアバターにリアルタイムで反映させていきます。演者が手を振ればアバターも手を振り、歩けばアバターも歩く。その滑らかな動きは、まるでアバターに命が吹き込まれたかのようです。

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このコースで学ぶ学生たちの夢も様々です。

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「動画の編集をやりたいです」と語る学生もいれば、「3Dやモーションキャプチャーが面白いと2年生に進級してから思うようになってきたので、モーションキャプチャーのスタッフとか3Dアニメーターに興味があります」と、裏方としての活躍を目指す学生もいます。

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もちろん、「VTuberの中で演じる側になりたいです。ゲーム配信をしたり、歌も歌いたいと思っています」と、演者を目指す学生も。VTuberという一つのジャンルの中に、多様なキャリアパスが生まれていることがわかります。


VTuberと初対面!バーチャル世界の裏側を体験

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VTuberの魅力と制作の裏側を探るべく、リポーターの小俣さんがバーチャル世界を初体験。

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ステージに現れたのは、札幌ミュージック&ダンス・放送専門学校のVTuber「たーにゃ」ちゃんです。

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「はじめまして!待ってました!」と、愛らしい声と動きで迎えてくれたたーにゃちゃん。その動きは驚くほど滑らかで、本当にそこに存在しているかのようです。

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普段はゲーム実況、特にホラーゲームで絶叫しながら配信しているというお茶目な一面も。

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さらに、北海道在住で、イチモニ!の「onちゃんおはようたいそう」を毎日練習しているという親近感の湧く自己紹介に、小俣さんもすっかり心を掴まれていました。

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そんなたーにゃちゃんから、「愛♡スクリー厶!コールってわかりますか?」とのお願いが。これはTikTokで大流行しているコールで、アイドル好きの小俣さんはもちろん知っていました。

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「ルビィちゃん!何が好き?」「チョコミントよりも、あ・な・た♡」

このコールに、たーにゃちゃんも挑戦します。

小俣さん「たーにゃちゃん!何が好き?」

たーにゃ「ストロベリーフレイバーよりも、生ビール♡」

まさかの回答に驚く小俣さん。「ちょっと素が出ちゃって…」と照れるたーにゃちゃん。

しかし、その正体は誰もが予想だにしない人物だったのです。

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衝撃の結末!VTuber「たーにゃ」の正体とは?

「なかなかVTuberで中身公開ってあまりないですけれど…」
そう言って小俣さんを裏側へと案内するたーにゃちゃん。そこにいたのは…

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モーションキャプチャースーツに身を包んだ、HTBアナウンサーの藤澤達弥さんでした!

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「さおりさん!毎朝見てます!」と手を振る藤澤アナに、小俣さんは「人を信じられなくなるかも…」と大混乱。

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そう、VTuber「たーにゃ」の正体は、藤澤アナだったのです。

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このサプライズは、学生たちの全面協力のもと、約2時間も前から準備が進められていました。実際にVTuberを体験した藤澤アナは、その大変さと面白さを語ります。

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「セッティングがすごい大変なんです。センサーも全身と指、さらにスマホで顔の表情を読み取って、笑顔になったり目を見開いたりするのを反映させています。自分の姿を出さなくても、普段の自分プラスアルファを表現できる。楽しいなと思いましたね」

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52種類もの表情を読み取るセンサー技術には、ただただ驚かされます。アバターを通して、普段の自分とは違うキャラクターになりきれる自由さ。これこそが、VTuberが多くの人々、特に自分探しの途中にある子どもたちを惹きつける最大の魅力なのかもしれません。vlcsnap-2025-07-08-13h10m15s589.jpg

顔や性別、年齢にとらわれず、「なりたい自分」になれる世界。VTuberは、演者だけでなく、それを支えるクリエイターや技術者など、多くの才能が集まる新たなエンターテイメント産業として、これからも無限の可能性を広げていくことでしょう。

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この記事を書いたのは

SODANE編集部

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