札幌で〝眼科難民〟になった私。たどり着いたのはスーパードクターだった③ さっぽろ単身日記


SLTという緑内障レーザー治療は、5分ほどであっけなく終わった。
目の疲れのせいなのか、この日はぐっすりと眠ったが、翌朝、その目がとんでもないことになっていた。


(前回はこちら↓)

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朝起きると、目がちょっと熱く、重たい感じがしていた。

顔を洗おうと洗面室に行き、鏡を見て思わず叫んでしまった。


なんじゃ、こりゃ


両目の白目部分がべったり赤く染まっている。

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ウサギの目というより、まるで鬼滅の刃の鬼(そんなキャラクターがあったかどうかは分かりませんが…)ではないか。

そういえば…

A眼科からは治療後、充血したら差すようにと目薬を処方されていた。


早速、点眼すると、部分的だが白目が復活した。

良かった。


しばらくすると、目の違和感もなくなった。

そろそろ赤いのは取れているかな。

出社前にもう一度確認しようと、洗面室の鏡をのぞいた。


えっ、なんで?

なんとまた鬼滅の目に戻っているではないか。


目薬が効いていないのか。

もしかしたら、何か別の眼の病気になってしまったのか。


急いでA眼科に電話をし、対応された人に状況を伝えた。

折り返し電話するというので待っていると、なんとA医師本人から電話がかかってきた。


心配なので診察して欲しいと言うと、A医師は昨日とは別人のような口調で言い放った。


「白目が赤くなるなんて大したことないんだから、とにかく処方された目薬を差していればいいんですよ」

そうですか…


確かに点眼した直後はすうっと白目が出てくるのだが、しばらくするとまた鬼滅になってしまう。


鬼滅のまま元に戻らない、なんてこともあるのだろうか…

いま思うと、このときの私は必要以上にナーバスになっていた。


眼科に置いてある冊子によると、白目部分が赤くなるのは「結膜下出血」と言って、結膜(白目からまぶたの裏側を覆っている膜)の下の小さな血管が破れて出血する症状なのだそう。
原因はさまざまで、くしゃみやせきがきっかけになったり、思い当たる節がなかったりするケースも。
出血と言っても眼球内部に血液が入ることはなく、1~2週間ほどで自然に吸収されることが多い、とある。


A医師の「大したことない」は、その通りだったのだ。

ただ、初めてのレーザー治療で、翌朝に白目が真っ赤になっていたものだから、その異様さに驚いて、ちょっとしたパニック状態になったのかも知れない。


とにかくどこでもいいから別の眼科で診てもらおうと、通勤途中にある近くのB眼科にかけこんだ。


B眼科は古いビルの中にある。

診察室の前に置かれたいくつかのパイプ椅子はすべて埋まっていて、立っている患者もいる。

A眼科とは正反対の、典型的な町の眼医者という感じだ。

診察室の入り口にかかっているカーテンの真ん前までパイプ椅子が置かれているので、中でのやりとりが途切れ途切れで聞こえてくる。


もうちょっとプライバシーのことを考えて欲しいなあ。


簡単な検査の後、30分ほどで呼ばれた。

B医師は私より一回り上の高齢に見える。

その言葉は(当然なのだが)そっけなかった。

「自然に治りますから放っといても大丈夫ですよ」


2人の医師の言葉を信じるしかないのか。


「どうしたんですか、その目」

職場の人に心配されながら、鬼滅のまま帰宅した。


翌朝には白目が復活していますように。


治療2日目の朝、鏡の前で絶望してしまった。

まだ鬼滅だ…


結膜下出血がおさまるのは1~2週間はかかるのだが、冷静さを失っていた私は、勝手に期待して勝手に絶望していた。

もう一カ所だけ別の眼科に診てもらって、それでも同じ説明だったら諦めよう。


仕事が終わると、ネットで夕方以降も開業している眼科を探した。

向かったC眼科は、札幌駅前のオフィスビルの中にあった。

遅い時間帯や休日にも開業しているC眼科は、清潔感のある待合室に、コンタクトレンズを処方する若い人が座っている。

これまた駅前によくある眼科という感じだ。


まあ、同じことを言われるんだろうな。

なかば観念して診察室に入った。


そのときC医師から告げられた言葉は、予想外だった。

(続く)

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この記事を書いたのは

山崎 靖

元朝日新聞記者、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、温泉学会員、温泉ソムリエ

昭和40年生まれ
新潟県十日町市出身


コラム「新聞の片隅に」
https://www.asahi-afc.jp/features/index/shimbun

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