残業66時間でも手取り月21万円…バス運転手の厳しい待遇。札幌の路線バスで減便続く中、地域の足は守られるのか

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本間壮惟記者「JR厚別駅と新さっぽろ駅を結ぶ厚別ふれあい循環バスですが、4月1日から本数を減らしての運行となります」

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道内大手バス会社の北海道中央バスは2025年3月末をもって札幌市南区を走る駒岡線など市内7路線を廃止しました。

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札幌市内のバスは年々減便傾向にあり、2023年までの5年間で合わせて1986本減便しています。

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利用者「買い物の帰りに荷物が多くなるので使っていました/ちょっと不便になるなと思いました」
「ほとんど時間さえ合えば毎日使っている/何でかなと思ったけど、利用客が少ないから仕方ないのかなと」

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相次ぐ廃止や減便。バスを運行する各社理由のひとつとして運転手不足をあげます。

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市内の運転手は高齢化が進み全体のおよそ6割を50代と60代が占めていて5年間で356人減少しています。

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なぜバス運転手が減少傾向にあるのか。バス会社に勤めて8年になる50代の現役運転手が実情を語りました。

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現役バス運転手「(バス業界は)2~3年は持ちます。今の現状だと。定年が何人かいますのでそれが辞めた後に残ったドライバーに負担がかかる。拘束時間が今15時間ありますね。勤務体制、給料の低さ、リスク等を考えると果たしてこれだけでやっていけるのかということで辞めていく方が結構多い」

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男性のとある1日の勤務スケジュールです。午前5時ごろに起床し6時に出社、朝の通勤時間帯を運転。途中で自宅などで休憩を挟みながら帰宅ラッシュの時間が終わる午後8時すぎまで運転を続けます。仕事を終えて家に着くのは午後9時ごろ。そして翌日の午前勤務に備えます。勤務が始まる時間は日ごとに異なり、休みは週に1回程度ということです。

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前は自動車メーカーに勤めていましたが、地域の交通機関に携わる夢を諦めきれずにバス運転手へ転身しました。この日は午前の勤務を終えて一旦自宅で休憩です。

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現役バス運転手「緊張しながら走っているので、何人も後ろに乗せて走っているので、仮眠とかリフレッシュの時間を大切にしたいなと思っています」

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このあと午後9時までの勤務に備え、昼食です。この日は缶コーヒー1本と菓子パン1つでした。

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■現役バス運転手「胃の負担がかかると運転中に眠たくなるとかがあるもので、トイレとかの関係が出てくるものだから健康には悪いかもしれないけど、少しお腹が減って水分が足りない方が緊張感は溜まっているかなと思います」

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普段の食事はスーパーで商品が値引きされる時間帯にまとめて買うことが多いといいます。

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男性の今年2月の給与明細書です。残業時間は66時間にものぼる中、税金などが差し引かれて手元に残るお金はおよそ21万円です。

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専門家はここに、運転手不足の原因の一つがあると指摘します。

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東京都市大学西山敏樹教授「ベテラン勢の給料の低さが問題になってきてそれを見ていると、将来が展望できないということで今度は30代40代の運転手さんが職を変えていってしまうというようなそういう悪循環があって上の給料が下がってしまうと/もう展望ができない生活の見通しが立たないというように判断されてしまうので、バス業界っていうのは嫌われてしまう」

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バス会社が直面している厳しい経営環境。
人口減少やマイカーの普及などにより路線バス利用者の減少傾向が続いていて、いまやバス会社のおよそ9割が赤字となっています。

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東京都市大学西山敏樹教授「行政とやっぱり手を組むっていうことが必要だと思っていまして/地域の足を守っていくことでみんなに関わることですから福祉の一環として捉えて少し行政がやっぱり支援金を出していくとかそういうことっていうのも必要になってきます」

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札幌市内の廃止路線では地域住民が声をあげたことで廃止をまぬがれた路線も。

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住民が引き継いだのはJR厚別駅を起点に新さっぽろ駅など厚別区内を循環する厚別ふれあい循環線。
平日に1日およそ400人が利用する生活の足として欠かせない路線です。


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このバスが走る地域で町内会長を務める田中昭夫さん。路線の廃止を聞かされたのは去年6月のことでした。

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田中昭夫会長「本当に青天の霹靂でびっくりしました。高齢化も進んできていますし、やっぱりここで循環バスが無くなるということは相当皆さんの生活に支障が出ると思いましたので、なんとかできれば守っていきたいと」

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路線を維持しようと田中さんら地域住民は札幌市と協議。貸し切りバスをメインに運行するバス会社、「札幌観光バス」に協力を仰ぎました。

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そして今年2月、地域住民が主体となり国の補助金も活用して路線の存続が決まりました。

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札幌観光バス・佐藤圭祐常務取締役「地域の皆様に何らか還元できる形をですね、今回機会をいただいたということなので、そこは採用の方も頑張りながら、なんとかですね、まわしていきたいなと」

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札幌市公共交通担当部長和田康広さん「札幌市としてもしっかりご支援させていただいて、継続的な動きになればいいなという風に思っております」

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4月1日から実証運行が始まった厚別ふれあい循環線。多くの利用客が見込める時間帯に運行本数を絞り込みました。人件費やガソリン代など経費の半分を運賃収入で賄えなければ、来年度以降の運行を続けることができません。

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田中昭夫会長「きょうのスタートはあくまでスタートです。みなさまのご協力をいただきまして私たちの足であるこのバスを守るようお願いしたい。よろしくお願いいたします」

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また、じょうてつバスでも人手不足解消に向けて新たな取り組みが。

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先月26日、札幌市・じょうてつバスなどは外国人バス運転手の採用に向けて3者協定を結びました。

外国人運転手の採用には在留資格などの課題がありますが、3者は日本語学校の留学生の免許取得などを支援し、この春、札幌に留学してくる外国人数人が3年後、バス運転手になることを目指しています。

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秋元克広市長「今回の取り組みが今後のバス運転手の確保につながっていくことを期待をしたいと思っています」

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運転手不足などによる路線の廃止や減便が相次ぐバス会社。新たな取り組みの効果が現場にまで及ぶのにはまだ時間がかかりそうです。今回取材した男性。定年が迫る中、よぎるのは将来の路線バスを支える次の世代についてでした。

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現役バス運転手「道路状態とか勤務体制とか新人が来ても走りやすい環境作りをしてほしいなというのが自分の強い要望です。本当に誰でも来たくなるような職場を目指してほしいなと思います」

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この記事を書いたのは

SODANE編集部

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