次の誰かのためにと綴っています。
32歳女性からのメール
「初めまして。道内在住の主婦です。阿久津さんのドキュメンタリーを拝見させて頂きました。私も両胸に乳癌が見つかり、今月全摘手術を控えております。母も40代前半で乳癌が見つかり片側全摘していますが、遺伝子検査をしたところ遺伝性乳癌ではありませんでした。
いずれかは乳癌の検査を受けようと思っていましたが、まさか30台前半で癌になるとは思ってもいなかったので、しこりを見つけて病院で癌と告知をされてからはショックで毎晩泣いておりました。手術で胸が無くなる事もその後の治療も不安ですが、3歳になる子どもがいるので、入院中の子どもの生活や薬の副作用で思う存分遊んであげられなかったり、腕の痛みでたくさん抱っこをしてあげられなかったりするんじゃないかとそちらの方が心配です。
手術後は今のところホルモン治療の予定ですが、阿久津さんは薬の副作用はありますか?更年期のように感情をコントロール出来ずイライラしたりするのでしょうか。また重いものは全然持たないようにしていますか?」
とご質問をいただきました。ありがとうございます。まず、ドキュメンタリーにたどり着いていただいたことを感謝します。
遺伝性乳がんで現在検査の上、治療法が確立しているものがHBOC(乳がん卵巣がん症候群)のみでして、他にも遺伝性の可能性はあります。私もこのHBOCかどうかを見るBRCA1・2の検査を受けましたが陰性と最終的にはなりました。このときにそのほかにも乳がんをつかさどる遺伝子はあり、それを見つけることもできるけど見つけても治療法が確立していないのでやってもつながらないということも知りました。
30代前半ではまだ国からの推奨前の年齢。ご自身でしこりに気づかれたのはよく頑張られたと思います。手術前の検査が続き、日々ネットサーチをしてしまう、今の現状の心中もお察しします。まずは、ご入院中のお子さん、ですね。預けられる場所はありますか?頼れる方に頼ってくださいね。
腕の痛みはある程度荷物が持てるところには1か月くらいで行けると思います。両側なので、不便はありますが今は問題なく荷物も持てています。2か月くらいは重いものを持つのは手伝ってもらいましたが、うまく腕や筋肉を動かせるようになってくると大丈夫。テープで傷の保護をお忘れなく。今はゴルフクラブもふれています。
薬の副作用は本当に人によるので一概には言えません。ホルモン治療の飲み薬ではすぐにはきません。大丈夫そうだな、と思いながら過ごしてもらったほうがいいと思います。暑かったり、寒かったり、関節痛があったり、人それぞれで、それに応じた漢方薬などのお薬もありますので、まずは治療を進めましょう。
感情のコントロールは・・・私の場合は、あきらめるとよさそうです。忘れっぽいのも、ちょっとイラっとしちゃうのも、薬のせいだから仕方がない、と。私の場合はやる気がなくなる感じのことがたまにあります。怒る、というよりすーっとひいちゃうという感じ。これは人によるそうなのですが、仕方がない、とあきらめて計画を立て直したりしながらおつきあいしています。ご心配かもしれませんが、これはそのときになってみて対処を考えた方がよさそう。まったくないよ、と元気な方も多くいます。本当の更年期と比較された方は、更年期よりも楽、との声も。手術からその後の生活も過去のコラムにありますので、参考にされてみてください。ひとりじゃないですよ!
手術前まで覚えておきたいこと
https://sodane.hokkaido.jp/column/202204151930002015.html
ホルモンの副作用)
https://sodane.hokkaido.jp/column/202203051945001853.html
翌日すぐごはん食べられます)
https://sodane.hokkaido.jp/column/201911011805000026.html
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