サウナは効く!サウナでととのう呼吸法とは?日本サウナ学会総会2025札幌 幸せホルモン セロトニンの権威がサウナの自然治癒力を熱弁!北海道のサウナ野郎パンダ・リ―「ととのえ道場」[280]

自然治癒力はサウナで目覚める!

サウナは効きます!

サウナ歴40年!自宅のサウナで14年間毎日サウナに入ってきたという幸せホルモン「セロトニン」の権威がサウナのチカラを熱弁!

呼吸✖サウナ”。実践すれば、毎日ハッピ―♪

サウナばりにアツい!サウナを愛するサウナドクターの話でととのう。パンダ・リ―っす。

kumichipandalee1.png

サウナの解像度が爆上り!日本サウナ学会総会2025

今週のととのえ道場は、貴女と貴方のサウナの解像度が爆上がり!健康✕サウナを追求するサウナドクターお二人の熱血サウナト―クをたっぷりご紹介します。奇跡のサウナト―クが繰り広げられたのは2025年11月22日。「日本サウナ学会総会2025 in 札幌EZO HUB」です。

_prw_PI1lg_ghXCZ0Of.jpeg

今回は、第1部の基調パネルセッションの模様をほぼノーカットで実況中継!司会と聞き手は、遺伝子レベルでのガン研究が専門、ご存じサウナドクターの加藤容祟 日本サウナ学会代表理事。お話は、幸せホルモン「セロトニン」の世界的権威・有田秀穂ドクターです。サウナ歴は40年!正直パンダ・リーには、タナカカツキ先生が自らを実験台にサウナの効用を命懸けで研究した名著『サ道 心と身体が「ととのう」サウナの心得』以来の衝撃でした‼一体どんな話だったのか⁉刮目せよっ‼

☆再編集・文責:パンダ・リ―、協力:日本サウナ学会

加藤代表理事 挨拶 「サウナの知見を深めていただければ」

加藤:今回の大会のテーマは「ヘルス(健康)とブレイン(脳)とソサエティ(社会)」です。サウナブームが近年すごくたくさん盛り上がり、それが少し落ち着いて、(サウナが)当たり前になってきているという段階です。「サウナは(心身に)良い」ということが皆さんもよく分かってきています。次の段階として、「サウナ×何か」が社会に浸透していき、どんな活用をされているのかというのが、どんどん広がってきているフェーズ(段階)になっています。サウナ学会としては、サウナは入りすぎると逆に健康を害することもあるので、健康的な側面と、深掘りする側面を、常に大切にしています。

今回は「ブレイン」がテーマなので、特別に世界的な(幸せホルモンとして知られる)「セロトニン」研究の第一人者である有田先生をお呼びして、脳科学的な側面に踏み込んでいきます。そして最後に「ソサエティ」ということで、世界中や日本の中でのサウナの世界がどれくらい浸透して広まってきているのか、新しいものが生まれていくのかというのを深掘りしていくという、盛りだくさんなセッションになっております。

DSC_2776.JPG

皆さんはサウナが大好きな人しかいないと思いますので、この場で各界の第一人者とサウナを深掘りし、サウナの世界をもっと広めていただいて、少しでもサウナの知見を深めていただければ、そういう場にしていければいいかなと思っております。ぜひサウナをリラックスして楽しんでいただき、サウナの話をゆっくりと深めていっていただければと思っております。それでは、「日本サウナ学会総会 2025年」第5回の開幕とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。

DSC_2779.JPG

「呼吸・坐禅とサウナー 脳科学が解き明かすこころと身体」

基調パネルセッション1「呼吸・坐禅とサウナー ― 脳科学が解き明かすこころと身体」。

モデレーター:加藤 容崇(日本サウナ学会代表理事)

登壇者:有田 秀穂(東邦大学医学部名誉教授、セロトニンDojo代表)

DSC_2783.JPG

 

毎日サウナに入り風邪知らず

有田:実はこれ、私の自宅なんです。土間の中にプライベートサウナを作ったんです。もう14年、毎日サウナに入っています。おそらくそれで呼ばれたのだろうと思うんですけれども、年間ほぼ毎日サウナに入っている私が思うのは、「とにかく風邪をひかない」ことです。

DSC_2785.JPG

ちょっと風邪になったら、インフルエンザになりそうだったらサウナに入ればいいや、そんなつもりでいたんですけれども。今回加藤先生からお呼びいただいて「いや、それだけじゃない」と思って勉強しました。

DSC_2784.JPG

この下に書いてあるのは、(米国)クリーブランドのメイヨークリニックのレビューです。「Frequent Sauna(頻繁にサウナに入る)」という風にありますけれども、私も毎日入っていますから、フリークエントだと思います。そうすると何が起こるかというと、「心臓血管系の点には間違いなく効果がある」ということが出ています。「コロナにも抑制効果がある」と。それから「ストレス軽減や寿命が長くなる」など、そういったことが2023年に、まともな雑誌にちゃんと出ています。

DSC_2790.JPG

その話を私がしてもしょうがないので、体験している者として、体験談を元に少し、私の専門である「脳の研究」、「脳の生理学」を簡単にご紹介し、勝手なことを言わせてもらおうと思っております。

ダイビングから「座禅の研究」へ

有田:自己紹介ですが、私は学生時代にダイビングにはまっていまして、大学の中にダイビングの同好会を新しく作ったりしました。それから、医者になったすぐに、当時「シードラゴン」「シートラ」「シートピア」という国家プロジェクトがありまして、ちょっと変わった医者だから、潜水、300mの深海なんですけど、いわゆる「飽和潜水*」の研究に一緒に入っていたという。普通は病院で研修が始まるんですけれども、僕はどちらかというと船の上で研修が始まっちゃったみたいな生活なんです。    

*深海での長時間の作業を可能にする潜水技術

そんなこともあって、研究もまともな研究をやってなくて、「坐禅」の研究を始めたのが39歳の時です。坐禅という、サイエンスとは程遠いことをサイエンスで解こうというようなことを始めちゃいまして、それをまともに15年間やって、協力者や医学部の学生も手伝ってくれました。ここにありますように、まともなサイエンスの雑誌に「Zen Meditation(禅瞑想)」と書いてありますけれども、坐禅をすると前頭前野の血流が増えて、セロトニン神経の活性化が起こるということを証明しちゃったんですね。それを簡単にご紹介しながら、サウナについて私なりに体験を通じて、どんなことが想像できるかという話をさせていただこうと思っております。

DSC_2792.JPG

「座禅」でセロトニン神経が活性化!

お釈迦さまは生理学者

有田:皆さんご存知の通り、お釈迦さんが2600年前に坐禅を私たち人類に教えてくれたわけです。お釈迦様の言葉ですが、「入息出息を数えること」というのが坐禅の呼吸法です。そうすると、「体は疲れなくなる」し「心も整う」ということを、お釈迦様は自分の体験を通じて、自分を被験者にして調べ尽くし、結果として今日まで伝わるような一つの「行(ぎょう)」を確立されたわけです。哲学者の間では「お釈迦様は生理学者だ」と言われるぐらいに、調べてみると徹底的に「入息出息法(にゅうそくしゅっそくほう)」、いわゆる呼吸法という一つのエクササイズによって、体も心も整うということを教えてくれたのがお釈迦様なのですが、それをサイエンスで解こうというのが私の研究だったんです。

皆が持つ「自然治癒力」

有田:ヒポクラテスの話ですが、私たちが医者になる時には、このヒポクラテスの哲学を教わるわけですが、そこに書いてあるのは「歩くことは人間にとって最良の薬である」と。調子が悪ければ誰でも医者のところに行って検査を受けて、薬を飲んだり手術したりして治療していくのが普通ですけども、ヒポクラテスは「100人の名医が体の中に宿っているんだ」と。私たち自身が持っている自然治癒力が、私たちの元気を司ってくれているという発想です。

25420648.jpg

その自然治癒力を、座禅の行によって、心も体も癒されるというのは間違いない。これが治療なのかどうかって言われると問題ですけれども。それはなぜかという時に、私はサイエンスで「(座禅での呼吸が)セロトニンと同じ働きをする」ということを証明してきたわけです。

サウナをやると何が起こるかといった時に、こういう発想からすると、この一番下の方にあります「プロラクチンベータエンドルフィン」が関係するだろうと私は思っております。これまでの研究からすると「脳内物質のプロラクチンとベータエンドルフィンが怪しいぞ」、ということをお話しさせていただきたいと思います。

DSC_2799.JPG

セロトニンとサウナの自然治癒力

有田:セロトニンの話を簡単にお話ししながら、「サウナの自然治癒力」についてお話ししようと思います。私たちにはセロトニン神経が約数万個あることが確立されております。セロトニンがどういう役割をするかというと、大脳に働きかけて覚醒レベルを変えます。心に関する病気にも関与します。痛みの調節、姿勢の調節、自律神経の調節。「共感」「直感」など、たった数万個の神経でありながら、私たちの脳全体に影響を与えるというとんでもない神経があったんだということです。この神経の特性は、覚醒している時にずっと活動し続けている、いわゆる覚醒を演出する神経だということが研究で確立されています。その覚醒している時の活性化因子が何かというと「坐禅の呼吸法」です。呼吸のリズム運動と、ウォーキングなどの歩行のリズム運動と、咀嚼のリズム運動、要するに普通の活動が脳を変えるんだと。「脳を変えて、セロトニンを増やすんだ」というのが私の研究です。

サウナは熱をかけて私たちを元気にしてくれるわけですが、それも「体の中の100人の名医の一人か二人が活躍しているんだ」と私は考えております。セロトニン神経の活性化はサイエンスでかなりちゃんと研究できます。真ん中にありますのが「セロトニン神経」です。その周りにある歩行中枢、咀嚼中枢、呼吸中枢、いわゆるこれらのパターンジェネレーターが活性化すると、神経が元気になり、その結果、心も体も整うということが言えると思います。

DSC_2801.JPG

エクササイズでセロトニンが増える

有田:それを証明するのに、セロトニン神経を活性化するエクササイズとしては、ウォーキング、ジョギング。スクワット、それから坐禅の呼吸法、ヨガ。さらに笑いも、大笑いは間違いなく脳科学的には裏付けられます。そういうことによって、脳内セロトニンが増えるということを私は研究で明らかにしました。

DSC_2807.JPG

これが坐禅のデータで、縦軸はセロトニン(血液)ですが、ビフォーとアフターでセロトニンが増えますよと。セロトニンが増えるだけじゃなくて、脳波を測ると特別なアルファ波が真ん中の段で脳波も変わるし、たくさんアルファ波が出るようになる。心理テストをやると、ネガティブな気分に相当する緊張不安、うつ傾向、疲労感、コンフュージョン(混乱)など統計学的にネガティブな気分が改善されるということを私たちは証明しています。すなわち、脳の中に誰でも持っているセロトニンという神経が、色々な形で、特に呼吸法で活性化されると、大脳の覚醒レベルが上がるし、心のバランス、自律神経の痛み、姿勢、活動も良くなるということを、サイエンスで証明できたということです。

「セロトニン」を啓蒙

有田:それを、サイエンスの領域だけじゃなくて、一般に本として世に出したのが私のもう一つの仕事です。『セロトニン欠乏脳』というのをNHK出版から出してベストセラーになりました。右側の『スマホ中毒からの心のモヤモヤをなくす小さな習慣』は今年プレジデント社から出したものです。ここに「自然治癒力」という言葉が出ていますけれども、ドーパミンやオキシトシン、セロトニンを、薬で増やすんじゃなくて、エクササイズによって、私たちは心と体をある程度コントロールできると。今、本来は医学用語だった「セロトニン」という言葉が、一般の世界に広まってきています。

DSC_2811.JPG

専門家に向けては、中外医学社から2冊の本で、医者向けにも書いております。このうちの右側の方の本は、実は200ページぐらいの(医者や精神科の先生の)論文なんですが、「その他」というところにサウナがちらっと見えると思います。

DSC_2813.JPG

サウナは「自ら求めるストレス」

有田:私自身はサウナの研究をしているわけではないのですが、サウナについてこんなことを調べて書いてあります。上の段階では、ヒートストレスが加われば、皮膚の血流も増えますし、体温も増えます。循環系としてはあんまり大きな変化はない。血圧は上がらないとありますけれども、脳内系では、この2番目のところに、プロラクチンとベータエンドルフィンが増えるというのが2001年にすでに研究で示されています。すなわち、通常のストレスホルモンであるコルチゾールとかACTHはほとんど変わらないですから、通常のストレスの物質は変わらないけれども。なぜか「プロラクチンとベータエンドルフィンという2つの自然治癒力というか、脳内物質が増える」という結果が出ています。それを脳の生理学から考えると、ストレスで増えるホルモンではなくて、ベータエンドルフィンやプロラクチンという特別な脳内物質が変わるんだということが出てまして、それを脳科学で考えると、通常のストレス反応とは異なるシステムが関与していると考えられます。

血圧が上がる、不安やパニックが起こる、というようなストレスのシステムではない。また、よく知られているストレスの回路である視床下部-下垂体-副腎というシステムでもない。視床の弓状核の神経があるのですが、このところに温熱とベータエンドルフィンが流れてきて、それが弓状核のドーパミン神経を活性化し、最終的には下垂体からプロラクチンが出るんだと。これは、ストレスのシステムとしてはあまりよく知られていません。皆さんが「ランナーズハイ」や「鍼のメカニズム」でエンドルフィンが関与しているのは聞いたことがあるかもしれませんが、こういう特別な脳のシステムの中でベータエンドルフィンとプロラクチンが動く。私は、サウナもここに関係しているだろうと考えています。

DSC_2818.JPG

サウナのストレスというのは、「自ら求めるストレス」だと私は勝手に考えています。特別なストレスが加わって、大騒ぎするのでもないですし、ストレスで悩んで血圧が上がって糖尿病になるようなストレスの回路ではない。ベータエンドルフィンとプロラクチンという特別な回路がサウナには関係している可能性があると考えております。以上です。ありがとうございます。

有田先生への質疑応答(聞き手:加藤代表理事)

ここからは、有田先生の基調講演について、加藤代表理事が具体的に詳しく聞いていく質疑応答のセッションへ。きょうからサ活に活かせるヒントが満載!ポイントは「呼吸で丹田(腹部)を収縮させること」♪

潜水と呼吸

加藤:僕も医者としてのキャリアは変わった経歴で有名なんですが。先生が一番最初のスライドで、潜水から入ったというのは元から潜水が好きだったんですか?

有田: 私は元々医学部に入ってサッカー部をやってたんですけど、捻挫しちゃったんですよ。それでスポーツができなくなって、なんかできないかと思ってやったのがダイビングだったんです。

加藤: そういう経緯だったんですね。怪我をして、代わりに何かできることがないかと。でも、ダイビング、潜水はあまり一般的ではないような気がするんですが、どなたかが身近にいたとか流行っていたとか?

有田: 有名な、いわゆる写真家ではあるんですけれども「ジャック=イヴ・クスト―」という人がアクアラング・スキューバを発明した人です。その人の知り合いに教わっちゃったんです。

加藤: とてもそういう意味では特別の人に教わったのが、ハマってお正月もクリスマスも潜り続けるという。そういうきっかけ、その道に引き入れてくれるような人がいた。

有田: そうです。

DSC_2819.JPG

「睡眠時無呼吸」の研究から「座禅・セロトニン」の研究へ

加藤: サウナとの共通項でもあると思うんですが、ダイビングでは多分空気があまりない(環境だ)と思います。呼吸法みたいなものが大事だから、呼吸法の研究に入ったという感じなのでしょうか。

有田: 坐禅の研究をなぜ始めたかというと、私は最初はまともな「睡眠時無呼吸」という専門医学的な研究をしていました。それを国際会議で発表しろと招待されて行った場所がフランスだったんですが。そこでたまたま「セロトニンはとんでもない神経だった」ということを知るんです。私は呼吸が止まるのにセロトニンが関与するという程度のことしか学んでいなかったのですが。なぜかセロトニンは多岐にわたる脳機能に関係する。「いろんなことに関与するとんでもない神経がある」ということで、頭の中が大混乱していたんです。

学会の会場はマルセイユだったのですが、海岸があって。突然「坐禅とセロトニンの働きはおそらく繋がるだろう」という一種の啓示がふっと出てきてしまった。それを日本に帰ってきて仲間と一緒に研究できる体制になって15年かけて証明できた。ラッキーではあるんですが、そういう流れなんです。

加藤: 国際会議に呼ばれる時点で優秀ですが、研究成果が認められて行ってみた。そしたらもっと広い世界だったという感じだったのですか?

有田: 広い世界になったのは、それから15年もたって、10年以上研究してからです。いわゆる「呼吸と脳の研究者」としては認められて呼ばれたんですが。

「直感」「共感」に関与するセロトニン

加藤: セロトニンといえば、先ほど(スライドで)脳のところで、凄く現代人に非常に大事な機能がたくさん出ているような気がしたんですが。これですね。セロトニンの機能をまとめたものだと思うんですけど、これ、一見見ると「サウナなんじゃないか」という誤解をするぐらい親和性があるような領域かなと思うんです。覚醒とか、共感とか直感とか、心の平安とか、自律神経の機能って、いずれも現代人にとって非常に大事な機能だと思うんです。この中で特に有田先生が一番、セロトニンが役に立つというか、現代にとって一番関与が大きいと思われる機能は何ですか?

有田: 「共感」「直感」ですね。それがそんな働きに関与する点については、実は私が本を書く時に必ず出てくるのはスティーブ・ジョブズなんです。ジョブズという人は坐禅をやった人としても有名なんです。なぜやったかというと、彼は自分の父親を知らないんですね。若い頃悩んだらしいんですが、それを解決するのに色々なセラピーをやった中で、坐禅が一番いいというので、以来ずっと死ぬまで坐禅を続けた人なんですよ。

DSC_2822.JPG

座禅の呼吸法でジョブズになれる?

有田:スティーブ・ジョブズは、天才的な仕事をしましたけれども。共感・直感、特に直感(インスピレーション)を湧かす脳の働きを、若い頃から死ぬまで、おそらく坐禅の行を通じてずっとやっていたと思うんです。自分のメンタルを直すために始めたにも関わらず、実は直感力、インスピレーションの能力を普通の人以上に上げたんじゃないかと、私は勝手に想像して本に書いています。(セロトニンは)そういう働きがあると思います。

加藤: 直感、思いつき、クリエイティビティというか、どういうことなんでしょうか?

有田: 今IT産業の人たちが、マインドフルネス、いわゆる呼吸法を、自分の能力、そういうインスピレーションの能力を上げるのに、結構欧米ではやられています。きっかけになっているのは、おそらくスティーブ・ジョブズの天才的な仕事で、は背景に何があったかというと、ずっと坐禅について呼吸法をやり続けた人。本にもそういうことがたくさん書いてありますから。

加藤: ということは、我々も呼吸を整えればスティーブ・ジョブズになれると。

2605344.jpg

サウナでととのう呼吸法とは?

有田: 私は自分のプライベートサウナで、実は呼吸をやっています。

加藤: これは皆さんが一番聞きたいところだと思います。「サウナでどういう呼吸法をしたら一番いいのか」。先生が実践していらっしゃる、こんな呼吸法がいいよっというのがあればご紹介いただけると嬉しいです。

有田: 特別な呼吸法をやるのは、私がそういう経歴・経過でやってるだけなので、いろんな入り方があると思います。私が最初の頃、レギュラーでサウナに入ってる頃は、運動した後のリラックスやクールダウンでサウナに入っていた。「一日の疲れが取れた。良かった」でした。10数年前にプライベートサウナを作って、毎日入るようになったら、知らない間になんか調子がいいんですよ。とにかく風邪をひかないというのは、間違いなく自信があるんです。ただ、皆さんに言っておきますけれども、熱が出てる時にサウナに入ってはだめです。風邪をひきそうになったら入ると、おそらくウイルスは、私は滅すると思ってたんですがもう少し別の言い方をすれば、「プロラクチンがリンパ球に影響する」というデータもありますから、サウナには自然治癒力があるのはまず間違いないです。

だから、どういうことを目的にサウナに入るか。通常はただ一日の疲れを取って、良い睡眠を取る。間違いなく良い睡眠が取れる、リラクゼーションに効くというのは感じていましたから毎日入るんでしょうね。プライベートサウナをわざわざ作るのも、疲れが取れるし、いい睡眠が取れるという、なんとなく直感的にそうだったからやってただけなんですが。文献を調べてきたり、加藤さんがこうやってサウナを広めていくのは、間違いなく私たちの体の中にある自然治癒力、私はエンドルフィンとプロラクチンだと思っていますが、そういうものを引き出す一つの生活習慣があるんだと思います。今、日本でサウナがだんだん広がっていることは、ものすごくいいことだと思いますね。

呼吸法は「効果の実感」が大事

加藤: 呼吸法のところで確か「丹田式呼吸」のスライドがあったと思うんですが。呼吸法にしてもいくつか種類があるかなと思います。サウナの中で、サウナ単独でもいいことがたくさんあるというお話だと思うんですが、例えば「丹田式呼吸」をしたらどういう相乗効果があるのかとか、「こういう呼吸法をしたらいいよ」みたいな裏技みたいなものはありますか?

有田: 丹田呼吸法にはお坊さんがやる丹田法もありますが、もう一つは実はヨガ。タイから入ってきているヨガですね。インドから入ってきているヨガではなくて、タイから入ってきている「ハタヨガ」というのがあります。若い女性が皆さんやっていますが、あれは半分呼吸法なんです。

33638980_s.jpg

今は呼吸法をやる時に、少しヒートストレスをかけながらヨガをやる人たちもいるように、いろんな方法があると思います。だから「こうじゃなくてはいけない」とは考えずに「こうやっていたらいいなぁ。疲れも取れるし、美しくなるし、若々しくなる」というそういう実感があれば続くと思うんです。1、2回サウナに入っても意味がないですから。毎日入るという「フリークエント・サウナ」が、やっぱり私は理想的な状態だろうなと思いますね。

加藤: 40年間毎日サウナに入ってこられた重みをすごい感じます。丹田式呼吸は多分僕も含めてあんまり深く知らないんですが、どうやればいいんですかね?

有田: 簡単ですよ。声を出せば、丹田(腹部)の筋肉を収縮させるんです。私と一緒に「あー」と一緒に唱えてもらうと分かります。手を腹に当てて、そしてちょっと浅めに筋肉を伸ばしてやってもらって、私と一緒に行きますよ。「あー」とゆっくり声を出すんです。

DSC_2826.JPG

有田:ばかみたいな話ですが、実はこれって普段はやらないんです。猿にもできない。赤ちゃんにもできない。ところが人間はこれをやるんですよ。何のためにやるかというと、整うんです。心も体も整うんです。それは私の研究です。要するに「腹筋をゆっくりと収縮させる」というのはお釈迦さんが教えてくれたことですし。私が研究してサイエンスでもいろいろ良いことがあるというデータを出したんですが。だから皆さんやっているんです。お坊さんは2600年経ってもずっとやっていますし、ヨガの人たちは4000年、5000年の歴史ですけれども、ヨガというのはエクササイズですから。エクササイズをしていたら、体も整うし、美しくもなるし、寿命も伸びると。サプリもお薬も使わないでそんなことができるんです。間違いなくできる。私はそれでずっと本も書いてきてますし、研究もしてきています。

今サウナに毎日のように入っているのはやはり「いいな」という実感があるからでしょう。それに今私たちは気がついてきていますし、そういう環境が整ってきていますから、やはり大いに勧める、広めるべきです。フィンランドで(サウナ浴を)ずっと続けている理由は何かというと、心と体に対する自然治癒力が知らない間に作られているんだと思って見ていくと、間違いなくあると思います。自然治癒力を発揮した、そのうちの何かというのは、エンドルフィンやプロラクチン、そういうものが可能性がある。皆さんが研究からされて、これは自然治癒力の影響だとやっているのは、ヒートストレスです。しかも、熱くなりすぎたら外に出ればいいだけですから、誰かに強制されてヒートストレスに入ってるわけではなくて、それぞれ自分で調節が可能。それを続けることですね。続けるのがやっぱり一番重要で一番効果がある。「フリークエント・サウナ」を健康としてやって、まず間違いない、損はないです。副作用で困るということはないですから。そういう意味では、私は自信を持ってお勧めするし、私自身はもう10年以上、毎日入っちゃっていますから。そこだと思いますね。
 

「あー」と声を出す感じで息を吐く

加藤: 呼吸法でサウナの中で「あー」と言ったら怒られます。無言で心の中で「あー」と言いながら腹筋を収縮させればいいという感じで大丈夫でしょうか。

有田: 一人で入った時は声を出しても迷惑かどうかはわからないんですが。皆でやるときはできませんからね。状況ですね。お坊さんは声を出さずに法ができます。ただ最初からできるかというと、しばらくは訓練が必要です。それをマスターするのに、これは一旦何秒とかとは考えずにゆっくり腹筋を弱く収縮して吐き続けて、限界まで吐き続けて...いろんな法があります。最初はとにかく今言ったように吐く。しかも一番簡単なのは、声を出せば間違いなく腹筋を収縮しているのですから。分かりやすいのはどうしたかと言われたら、私は「声を出しちゃいなさい」と。声を出したら間違いなく腹筋を収縮してるから声が出る。ただそれだけなんです。それをだんだん声を小さくして、お坊さんはだから声を出さずに「数息観(すそくかん)*」と言いますけどね。いくらでもやり方があると思います。

*息を数えることで心を静め統一する方法

2687483_s.jpg

鼻呼吸が自然

加藤: 近年の研究で、鼻呼吸と口呼吸の脳科学的な研究がたくさんあると思うんですが。鼻呼吸、口呼吸がどちらが良いというのはありますか?

有田: 鼻が自然です。口で呼吸しちゃだめなんです。だけど口から吐くのはいいんですよね。だから歌を歌うのはいいんですけれども、吸う時は鼻から吸うのが正しいですね。

加藤: じゃあ、吸う時は必ず鼻、吐く時はどちらでも。

有田: そうです。鼻から吸うというのが普通正しい。そして吐くのは鼻からでも口からでもどちらでも問題ないです。

加藤: 安全性の話も少しお伺いします。サウナはいわゆるコルチゾールとか一般的なストレス反応が起こらずに反応するというのが非常に大事なことだと思います。セロトニンとかドーパミン、オキシトシンとか出ると思うのですが。日本のサウナは、会場にはフィンランドの方もいらっしゃっていますが、100度を超えるような非常に熱いサウナも多い。熱すぎると鼻呼吸すると鼻血が出そうになるのですが、そういう場合はやっぱり低い場所に移動して鼻呼吸をしてゆったりした方がいいものなのでしょうか?

有田: 鼻で呼吸する理由は、鼻で加湿して、肺に入るまでの空気を整えるのですが。口はそれができない。だからやはり鼻から呼吸するのが重要です。それから温度はやはり人によって違うと思うんです。私は100度ぐらいでも平気なんですが、それを少し90度ぐらいとかね。プライベートサウナじゃないと無理かもしれませんがやはり調節ですよね。それから時間を、調子の悪い時には短くして、そして1回でやめないで続ける。大体数週間から数ヶ月続けると「なんかいいな」という感じはしてくると思いますね。

深追い過ぎは良くない

加藤: 人それぞれ適切な温度でということだと思うんですが。サウナウォッチのデータを最近見ていると、理論的にはあまりストレスホルモンが見えないということになっていると思うんですが、むちゃくちゃな入り方をする人が結構います。10セット入るとか30分ずっとサウナ室にいるとかですね、“やばい人”が時々いて。そういうやばい人を僕は注意して観察していて、“ちょっと危ない入り方”を把握しています。そういう人は交感神経がものすごい活性化していて、ストレスホルモンが滅茶苦茶出てしまっているのではないかなと思います。その塩梅というか、先生なりの調整の仕方や、呼吸である程度調整できるのかなどその辺の考えはどうですか?

有田: サウナがいいのは「コントロールできるストレス」なんです。すごいタフな人は30分やっても大丈夫かもしれないけれども、やはり15分かその程度で。フィンランドだとか長い期間サウナに入る人たちはそういうバカみたいな入り方は恐らくしないんですよ。毎日入るのに1時間も入っていたらやってられませんから。私は夕方せいぜい15分ぐらい入る。それが10何年続いてるだけの話なんですが、効果は実感しています。でも、私はやったことはないですが、1時間入り続けたらどうなるかというと、私は間違ってくると思います。それがサウナの効果だというのは私が思っているイメージとは違う。深追いしすぎはやはり良くない。
  

G6wWZtla0AMiguY.jpg

(X「ととのえ隊」から)

サウナは効きます!


加藤: 最後に皆さん、サウナ好き、医療関係者も研究者もそうじゃない人もいらっしゃって、ただ共通するのはサウナが大好きな人たちってことなんですけど。先生なりの、今日の講演で皆さんに一番伝えたい内容を最後にまとめていただけますでしょうか?

有田: 間違いなく言えるのは、やり方にもよりますけれども、私は風邪をひかないですから。それから家系は高血圧なんですが、循環関係の問題を知らない間にあまり気にしなくなっている。もちろん薬も使っていませんし、検査も受けていないんですが、やっぱり「サウナは効きます」から。それは自分の健康、良い睡眠、風邪、ウイルス、感染症に対しても効きますから。皆さんは実体験で実感を持ってるでしょうけれども、サウナはやり過ぎなければ間違いなく副作用のない良い習慣ですから、大いに楽しんでていただきたいと思います。

DSC_2823.JPG

サウナ×呼吸

いかがでしたか?「呼吸と脳の研究者」として参加した国際会議で「セロトニンが多岐に渡る脳機能に関与する」と知り大混乱。マルセイユの海岸で「座禅とセロトニンの働きは繋がるだろう」との啓示を受けたという問題意識と真摯に向き合い、その効用を医学的に見事大証明。その研究をサウナが支え、「サウナは効きます!」と言い切る有田ドクター。いやぁ、力強いお話をありがとうございます!

ポイントは「呼吸」。鼻から吸って「あー」と声を出すようにゆっくり「丹田(腹部)を収縮させて」吐く。実践すると…身体と気持ちが適度に脱力して気分が上がる印象に。日常で、そしてサウナで継続して行えば、ととのいが加速すること間違いなしっ♪サイコウざんす!

☆脳科学的ストレス対策が満載、有田秀穂ドクター主宰「セロトニンDojo」はこちらっ!

https://serotonin-dojo.com/

☆日本サウナ学会総会2025・研究奨励賞の詳細などはサウナ学会公式HPをチェケラッチョ!

https://www.ja-sauna.jp/

パンダ・リー「日本サウナ学会」特集 アーカイブ 

〇「時短サウナのススメ!花木祥二朗 第4回 日本サウナ学会 研究奨励賞『30分で実現する至福のサウナ体験:忙しい現代人のための「時短サウナ」の効果と検証』@ 日本サウナ学会総会2024東京」

https://sodane.hokkaido.jp/column/202502080500005045.html

〇「NJPWオカダ・カズチカのサウナ愛! TTNEととのえ親方&サウナ師匠 VS レインメーカーのトークバトル!日本サウナ学会総会2023 with 鳥取県 懇親会ディナートークセッション『サウナに金の雨が降るぞ~!』」

https://sodane.hokkaido.jp/column/202401012230004022.html

〇「サウナ学会誕生!林サウナー社長」

https://sodane.hokkaido.jp/column/202102101600000615.html

〇「続・サウナ学会誕生!林サウナー社長」

https://sodane.hokkaido.jp/column/202102102000000618.html

ダウンロード (19).jpg

1

この記事を書いたのは

パンダ・リー(サウナ野郎っす)

No Sauna, No Life! “ととのう”話だけをお話するっす。趣味は極真空手、旅、そしてサウナ。サウナ情報&ご感想はTwitterで「パンダ・リー」まで!https://twitter.com/matsu08130896

本業はHTB帯広ブランチ・釧路ブランチの代表っす。21年5月から“サ国”とかちの首都・帯広へ。「営業」としてTV広告、番組企画等で企業様・自治体様の魅力プロモーションをお手伝い。「ライター」としてこちらの『SODANE』でサウナを中心に、農業、面白い人あ~んどホットな話題を発信中ざんす。